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英語の上達のために、「英語の歴史」の本を一冊読んでおこう。


思うんですが「英語や英会話がペラペラになりたいなら、これをやんなきゃ!」的アプローチの中でも、「英語の歴史を学んでおきましょう」っていうのは、ほとんど見かけないですよね。

ま、自動車の運転免許が取りたい人に、「まずはエンジンの構造を知っておきましょう」というようなものですから。「まだるっこしい」と思われがちなのはわかるんですけど。


最近、英語とかラテン語の歴史本にハマって何冊か読んだせいもあるんですが、「あ、これって英語の勉強をし始めた頃に知っていたら良かったのに。こんなにも長い間、モヤモヤした感じを引きずらなくて済んだのに。」と読んでいる間にしばしば感じたので、同じような人も少なからずいるんじゃないかと。

学習上の壁を一つ取り除いてくれるなら、これも立派な英語・英会話の上達法と思うわけです。


外国語を勉強しているときって、よくわからないままそのまま丸暗記に走ったり、説明に納得がいかなくても「そういうものか」と深く考えずに受け入れたりっていうのは、当然ありますよね。

一概にそれが悪いとも言えないのですが、ただちょっと突っ込んで調べればわかることを「アメリカ英語とイギリス英語の違いだから」「言葉なんだから例外があって当たり前でしょ。丸暗記してね」で済ませてきたことも、個人的にはずいぶん多かったですね。

何十年も英語や英会話の勉強を続けていると、自分が完全に忘れちゃっているだけで、かつて誰かがちゃんと説明してくれていたこともあったかもしれません。


でも忘れているってことは、さほど印象には残らなかったということ。

個別的に説明を受けただけで、どういうプロセスでそうなっているのかという「文脈」を欠いていたために、脳がさしたる刺激を受けなかったのかもしれません。


英語の成立期から現代英語に至るまで、時間の流れにそって英語という言葉がどう移り変わってきたのか、そして今日どういう問題を抱えながら現代英語として今も変化を続けているのかについて、まとまった形で一つの説明を受けた記憶が無いんですよね。大学生の時に英語史のコマをとっておけばよかったのかな。


ま、少なくとも、英語のベースを自分の中に形作る多感な中高生の時に聞いときたかったなって思うネタは、今回読みあさった英語の歴史本でたくさん見つかりました。


例えば、なんで'you'だけが「あなた」とその複数形「あなたたち」の両方を兼ねているかとか、理由を考えてみたことがありますか?he/sheの複数形は、'they’というまったく違った形をとっているのに。

あと、なんでmustだけ過去形が無くて、全然違うhad toを使っているんだとか。ご存知ですか?

Do you have any money?とHave you any money?との違いなども、ワタクシ結構長いこと「英米の違いだろう」くらいで考えるのを止めて、丸暗記してましたよ。(これは「助動詞doの重要性の変化」や「語順の固定化」などが背景にあるのですが、詳しくは以下の本とかを読んでみて下さいな)。


だいたい恥ずかしながら、いわゆる「ノルマン征服」以降、イギリスが言語的に200年くらいフランスに取って代わられていたことすら、ようやく最近その歴史的な意義がわかったような有り様です。


ノルマン征服とか、ルネサンスがイギリスに及ぼした影響とかって、世界史の授業でちゃんと勉強していたはずなのに、それによって英語が言語的にどれほど大きな影響を受けたのかについては、頭の中でまったくリンクしてなかったわけですね。

ゴロとかで無駄に年号だけは覚えてるんですけどね、「ノルマン、トロールで征服(1066)」とか。完全に受験用で、歴史的な意義なんかも頭の中から飛んじゃってるわけですね。

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『円高だ、海外旅行だ!』、それならこの旅行英会話本をオススメ。

英語の勉強はおろか、思考力とスタミナそしてやる気を根こそぎ奪うかのごとくの熱波の季節が、ようやく過ぎ去りつつありますね。

まぁまだ9月が控えているので、油断もできませんが。


それでも、そろそろ6月頃を最後に手が止まっていた英単語集をもう一度開いてやってもいいかな…というくらいの季節感は、ソロソロと感じられるようにはなってきました。

そんな中で、「それじゃ英語・英会話の勉強をユルユル再開してみようか、え~と何か適当な題材は…」とお探し中の貴兄に、本日は一冊オススメ本をご紹介したいと思います。

絵で見てパッと言う英会話トレーニング 海外旅行編(Nobu Yamada著 学習研究社 1,680円)

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「Google 英文ライティング」は、徹底的に使い倒してこその実用本。

本日は、オススメ本のご紹介です。

2009年末に出た本なのですが、まだ取り上げていませんでした。


Google 英文ライティング: 英語がどんどん書けるようになる本 (遠田和子 著、講談社インターナショナル、1,575円)


いまや手もとのぶ厚い辞書を引き引き英作文に取り組むっていうのは、学校の授業風景くらいでしか見られないんでしょうか。

PCやケータイでおおまかに書いてみて、あとは校正や編集をどうしようか…となったら、英辞郎のようなオンライン辞書を使って、チェックやコピペをしながら画面上の文章を仕上げていく…っていうのがごく普通のやり方なんじゃないかと思ってますが、皆さんどうしているんでしょう。


この本は、より正確かつnatrural、しかも今日的に使われる英文へとブラッシュアップするために、検索エンジンGoogleをうまいこと活用しましょうという内容のテクニック本です。

「もう一から英作文の勉強をしなきゃどうにもならん」という人でなく、「あちこち間違いがあってもいいなら、自信は無いけど英文らしきものはなんとか書ける…」という人を、主な読者ターゲットにしている気がします。

あと英語学習者も含めて、英文を書く機会がソコソコ日常的にある人ですね。


「英語はコミュニケーションの道具」という著者の視点を反映してか、はじめから終わりまで一貫して、ライティングのための具体的テクニックのオンパレードで、勉強の仕方や精神論的なことにはいっさい触れていません。

Google検索の手法である「フレーズ検索」と「ワイルドカート検索」の2つをキー・テクニックとしてまず披露し、そのうえでこの2つの検索方法を英文作成にどう具体的に活かしていくかを、実例を使いながら解説しています。

この「フレーズ検索」と「ワイルドカート検索」を使うというのが、ある意味この本のエッセンスというかキモの部分で、正直なところココだけ書店で立ち読みしてしまえば、あとは自分なりに応用していけそうな感じもします。


と言うか、ワタクシは本屋でパラパラ立ち読みしてそう思い、一瞬買うのを迷いました(笑)。結局、買いましたけどね。

Amazonでも「そのやり方ならもう知ってるよ」的レビューが、ちらほら見られますね。

しかしネット検索に詳しければ、イイ英文が書けるわけでも無し…と言うことで。

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「外国語を学ぶということ」を、日本語を通じて考える一冊。


本日はしばらくぶりに、オススメ本を一冊ご紹介しときます。


日本語という外国語  (荒川 用兵著、講談社現代新書、777円)


「ほんの数ヶ月でチョイチョイと英語がうまくなる」みたいな広告や宣伝を、あちこちでコレデモかとばかりに見せつけられていると、なんだか感覚がマヒしてきて、「これだけがんばってるのに、いっこうにうまくならないオレがおかしいのか?勉強のやり方にそんなに問題があるのか?」などと、ついモンモンと一人で悩んでしまったりします。


しかし外国語を身につけるって、世間で言われるほど簡単なことじゃないんですよね。

今のやり方よりも多少効率良く学べる方法くらいならあるのかもしれませんが、マスターする・自分の血肉となるほどの高みに達するのは、誰にとってもやっぱり、時間のかかる難しいことなのです。


で、結局、ときにそういうモンモンとした思いを抱えながらもジリジリと前に進んでいくより無いのですが、それでも時に行き詰まり、同じところをグルグルまわっているかのような思いにとらわれることも確かです。


そういうときはまたやりたくなるまで放り出しておこう、と以前の記事(これとかこれ)にも書きましたが、それ以外に「まったく別の方向からいまの悩みを眺めてみる」というアプローチも、ちょっとした気分転換になります


この本は英語の学習本ではないけれど、そんな心持ちのときに読むのには、うってつけかもしれません。

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「英語で手帳をつけてみる」のは確かに効きそう。なのでオススメ。


久しぶりに書店の英語学習本コーナーをのぞいたのですが、コンセプト的に共感できる本を見つけたので、ワタクシのおすすめ本リストに入れておきたいと思います。


英語で手帳をつけてみる (石原 真弓 著、ベレ出版、1,365円)


2009年3月の発売ですが、10年近くの歳月がたった今でも、そのコンセプトがまったく色あせない一冊ですね。

この本の主張を一言でいうと、「いつも仕事とかで持ち歩いている手帳は、これからは英語で書きましょう」ということでしょうか。


「5/29 15時に日本橋A社、第一営業部の山田課長、新製品モニター打合せ」といった、手帳のカレンダー欄にチョコチョコと小さい字で書き込んだりするやつ。

これをいつも英語で書くようにしましょうね…という話です。

お仕事の予定以外にも、会議の中味からプライベートの備忘録まで、手帳っていろんなことを好きに細々と書き込むわけですから、もちろんそれらもひっくるめてすべて英語で書いていきましょう…と。


この本には、「なぜ手帳なのか」「手帳を英語学習の場として考えることのメリット」と共に、「手帳で書く時に役立つ単語や表現」も掲載されています。

ですから、「うーん、ただ手帳を英語で書けって言われてもなぁ…」と腰が重めの方は、やっぱり手帳といっしょに1ヶ月くらいはこの本を持ち歩いて、カンがつかめるまでの参考書として、ときどき読み返すのがヨイんじゃないかと。


ただ本をオススメしておいてなんですが、カンのよい方ならば「あ、手帳は英語で書くようにするのって、きっと効くよね」ということで、本を買わずに自己流で即実践!というのもアリだと思います


よく言われるとおり、いわゆる「読む」「聞く」「話す」「書く」の四技能がバランスよくできてはじめて「英語ができる」ってことになるんでしょうけど、まぁ普通四つともバランスよく勉強していくのは、なかなか大変なわけで。

ということで多くの方は、技能のいくつかを伸ばすのを内心あきらめて、「聞くと話すができればいいや」「読めさえすれば、聞くのと話すのはある程度カタコトでいいや」などと、やりたいことや好きなことを思い思いに「選んで」というか「絞って」というか、そればっかり熱心にやったりするわけですけどね。


まぁ、あんまり教科書的に「四つともできないとダメです」というつもりはありませんが。

ただ個人的に二つ指摘しておきたいのは、たぶん普通の学習者は「書く」学習が一番おろそかになっているだろうということと、「書く」のが強い人が、自分の英語力に内心自信が一番持ちやすいだろう、ということです。


これは外部からの評価でなく、あくまで自身のもつ確信・自己中心的評価としてですけれど。

英語が書けるってことは、それだけ「英語力の腰が強い」ということなんですよ…。

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管理人の「オススメ!英語本リスト Vol.3」(2009年4月末現在)


気がついたら2007年7月の管理人の「オススメ!英語本リスト Vol.2」からずっとやっていなかった、英語・英会話上達おすすめ本のまとめリストづくり。

ゴールデンウィーク(GW)直前(すでに入っている方もいるんでしょうけど。長い人は16連休!とか)だし、パソコンに向かっているヒトもどれだけいることやら…ということで、いい機会ですし、Vol.3としてまとめておきます(ちなみにこちらはVol.1です)。


英会話学校や高額商材に手を出す前に、1~2千円くらいでこれだけ良質の本が手に入る時代なんですから、いまの自分にとってよい本を選ぶ力を身につけるのが先決ですよ。

なんといっても、英語・英会話をマスターすることは、一生のプロジェクトなんですから。


なにも3ヶ月で身につけなきゃ…とかバタバタと、あせるこたぁないんですよ。

短期間でなんとか身につけたところで、どうせそのうちにきれいサッパリ忘れる運命なんですから。
いつも書いてますけどね。


いまは本の回転がかなりはやくて、アッという間に本屋さんから消えてなくなっちゃうことも多いですが。

でもそのぶん、昔と違ってAmazonだの楽天だの、他にもネット書店がいろいろあって、しかも中古扱いになってから安く買えたりもするので、とりあえずは自分の購入予定リストを作って、いつかのためにどこかに保管しておくべきですね。


何度もご紹介してますが、Amazonのマイページに自分用のブックリストを作っておくのはオススメですね。

外にいて書店に立ち寄る前に、ネットカフェとかからでも確認できるし。


あ、最後に蛇足ながら、今回のGWですけどね…。

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編集に4年余りの歳月をかけた丁寧な作り、オススメ英会話フレーズ集。


ひぇ~今年も残すところ、あと一ヶ月ですかぁ。はやッ!


本日はオススメ本のご紹介です…が、たいへん珍しいことに、なぜかamazonでは売られていないようです。

というか、検索しても出てこないんですが。書店では普通に購入できたのですが…ナゼ?



毎日五分 アナタの英語 これでperfect!(1~5巻) (各1,050円[5巻めのみCD付で1,575円]、FL英語研究会編、フォー・ユー)   


当サイトでもオススメ本でご紹介することの多いデイビット・セイン氏もメンバーの1人として参加している、7名から成る「FL(Foreign Language)研究会」が、なんと4年!余りもの歳月をかけて完成させたという、全5巻から成る英会話フレーズ集です。


5巻構成になっている理由は、1月~12月までの365日分として、2ページ見開きで1日分で「本日のフレーズ」を構成してあるから。

1巻目は、3月~5月までの3ヶ月分が収められています。

で、4巻目で3か月分のフレーズ/一冊×4冊=12ヶ月分が終了し、5巻目が「各巻からピックアップした90日分の厳選フレーズ+CD2枚」という全体構成です。


ちなみに、ただ単純に月日順に並べているだけではなく、毎日目先を変えて愉しめるよう、「困ったときのとっさの一言」「感情・気持の上手な伝え方」などの「テーマ別の配列」を、別の軸としてたてています。

3月1日分のフレーズは「感情・気持の上手な伝え方」に関わるものが学べ、翌日の3月2日分は「オシャレなセリフ」としての英語フレーズが学べる、といった具合ですね。


ワタクシ、実はまだ第1巻と第2巻しか買ってません。

しかし、本屋で第3~5巻はパラパラ見てきた限りでは、5冊とも同じ構成ですので、2冊しか手もとになくてもレビューできると判断しました。


ちなみに、ワタクシは5巻目は買わないつもりです。

5巻目は、基本的に音声をどうしても確認して学びたい方のための冊子のようですので、だいたい発音もイントネーションも大きくはずさないだろう…という方は、必要ないんじゃないかと思います。

ただし英会話を学びはじめの方は、もちろん音声があったほうがよいですけどね。


対象層は、英会話を勉強中の初学者から、必須ショート・フレーズをおさらいした上で確実にモノにしておきたい中級者、といったところでしょうか。

ワタクシは、掲載フレーズ自体は8~9割はおなじみでしたが、日→英/英→日それぞれ0.5秒くらいで、すべて言えるようにしたいと思って購入しました。


あとは末永く使えそうな点かな。これは後で書きますが。

で、あまた英会話フレーズ集があるなか、しかも5冊もあってコスト高(笑)であるにもかかわらず、今回これをオススメする理由は…。

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読むのは数年後でOK。いま買って手もとに置くべき、必読の英単語集。

半月近く前に買った本で、ここで紹介しようと思いながらもつい延び延びになってました。

結論から言えば、書店に平積みされているうちにとにかく買って、一冊手もとに置いておきましょう。

究極の英単語セレクション ― 極上の1000語  (向江 龍治 著、株式会社アルク、2,310円)


「究極の~」というタイトルや「一生使える極上の英単語と豊富な例文が満載!」といった帯のうたい文句を見た瞬間こそ、「売らんかなで、また好き放題言って…」と思いましたが、中身をみて「確かにこれは、言うだけのことはある」と考えを改めた次第です。

究極かどうかはわかりませんが、ちょっとこのレベルをしのぐ英単語集は向こう5年くらいは出てこないんじゃないか…とさえ思ったくらいです。

正直いってワタクシは、この本に並んでいる単語の8割くらいは、まったくわかりませんでした。

単に難解な英単語を並べただけの本ではなくて、なんというか、まず世界観として「異質」だと感じる英単語が多く並んでいます。

日本でふつうに英語を勉強しているとまず触れる機会のない英単語、しかも米国の知識階級がごく普通に使いこなしている英単語を選りすぐったそうですが、そのような単語がこんなにあるとは…と率直に驚きました。

同時にまた、自分の勉強不足もヒシヒシと感じたわけですが…。

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独学で英会話を学ぶアナタにこそ読んで欲しい、このオススメ本。


前回に引き続いて本日も、英語・英会話上達のための良書を一冊、ご紹介します。


元祖! スピードスピーキング―英会話の正体 速話-あなたの英語を劇的に変える練習法 (山本大 著 国際語学社、1,365円)


この山本さんの著書「英会話の正体」は、以前も当サイトでおすすめ本としてご紹介していますが(  英会話学習本、近頃は良書多し。またまた、必読の一冊。 )、前著の続編となる本書も、英語とりわけ英会話の学習者にとっては、これまでの英会話指南本にはなかなかお目にかかれないような気づきが、盛りだくさんです。

巷のバカ高い英会話商材や英会話学校にお金をつぎ込む前に、まず前著とこの本の二冊にちゃんと目を通しておくことを、オススメしたいですね。


実はこの本のメインコンセプトである「英語より日本語のほうが、話すスピードが速い」という点には、個人的にはそれほどの驚きはありませんでした。

というか、「英語・日本語どちらでも、速く話されるとついていけないくらいに速くなるときがある」と、ワタクシはずっと感じていたので。

ワタクシなぞ、日本語の会話ですら、しゃべりの速い人の場合はその速さについていけなくて、聞き落とすことなぞしょっちゅうです。

音としても中味としても、まったくアタマの中に残らなくて、「え、今なんて言ったの?」ということが、珍しくないのですが。

だから、この本のなかの「英語は話されるスピードが速すぎてついていけない、と嘆いている生徒がいるが、それは誤りだ。会話の中味を省略して、単語一語などで話すことが多い日本語のほうが、実は時間的には速いのだ。」という部分を読んだとき、英語が日本語より速いと感じている学習者の人って、世間にそんなに多いんだ…と、正直感じました。


…あ、話を戻しますね。

著者は、次のように主張します。

日本語は省略による時間の節約が可能であるのに対して、英語は基本的に主語+述語を必要とする言語であるために、同じ状況を述べるときであっても、明確に説明するために語数を省かない英語のほうが、どうしても長くなる。

したがって、きちんと英会話を成立させるためには、長い文章(8~15ワードくらいのセンテンス)を、区切らずにひと息で言いきる、ひとつのまとまった意味の固まりとして吐き出す(練習をする)ことが、非常に重要である。

速いスピードを聴き取るためにリスニングの重要性だけが強調される風潮にあるが、もっと大切なのは速く話すこと、「スピード・スピーキング」である。


…ではナゼに、「速く話す」ことが、そんなに重要なのか?

ここからは本書内の「聴くと話すは大違い!」の章をぜひお読みいただきたいと思いますが、論理も明快、ワタクシとしては深く納得いたしました。

「スピードスピーキング」とか「音記」とか聞きなれないコトバがでてくるわりに、その主張がすんなりとアタマに入るのは、長年日本人の英語・英会話学習者が何に悩み、どこでつまずくのかを見続けてきた現場体験を、学習者の目線にたちながらもきちんと理屈として説明しようとする著者の姿勢が、行間に自然とにじみでてきているからでしょう。


以前このブログで「英語がうまくなりたければ日本語は使うな、文法書は不要、英語ですべて考えろ」という、某脳科学者の書いた英語上達本をヤユしたことがありますが、英語・英会話の上達本は、主張やアプローチ法がホントに正反対というか、対極にあるものが珍しくありません。

だから初学者の人ほど、大層な物言いや肩書きなどに惑わされず、自分にあった一冊を多くのマガイモノの中からかき分けるように、選び出していかなければならないわけで。

勉強をはじめた頃、見抜く目の弱い時期こそがホント、大変なわけです。
売り込む側からすれば、絶好のターゲット(カモ?)なんでしょうけどね。


…また話がそれたようで。

さて、この著者の考え方に共鳴する部分は個人的には多いのですが、なかでも前著から一貫して主張されている「英会話の練習は一人でできる。最重要項目は、自分1人の練習、口頭練習である。」というメッセージには、とりわけ全面的に賛成します。

会話には確かに1人以上の相手が必要ですが、その「会話をするための練習」はむしろ他の人を排除して、1人で徹底的にやりこむ必要があるわけです。


一人でぶつぶつと練習する必要があるのは、なにも結婚式のスピーチだけじゃないんです。

こんなに大事なことがあまり喧伝されないのは、あんまりこの「おひとりさま英会話学習」の思想が広まってしまうと、きっと英会話産業界が大打撃を受けて困ってしまうからだろう…と勝手に思ってはいますが。


だから、周囲に誰もいない、英会話学校に行くお金もない…という独学状態の人こそ、むしろ英語・英会話の上達には理想的な環境だと、ワタクシは思いますよ。

本日紹介したような良書だって、いまや日本中どこにいても、ネット経由で手に入るいい時代ですしね。


前著と同じく、「15ワードくらいまでだったらいつでもひと息でツルツルと話せるよ」という方以外に(笑)ぜひ目を通していただきたい、オススメの一冊です。

英語が「技術」である前に「言葉」であることを、思い出させてくれる一冊。


本日は、オススメ本のご紹介です。

この本、読みおえるとすぐに英語力・英会話力アップを実感する、という類の本ではないのですが。

ただ、英語がうまくなりたい一心で日々英語表現や英単語の暗記・TOEICの問題練習にあけくれているようなヒトには、ぜひ手もとにおいて、たまには目を通してほしいタイプの本ですね。


英語の品格  ( 石井隆之 白石よしえ 共著、 三修社、1,500円)


ま、タイトルをみたときは正直、「また品格本かよ」と、チラと思ったことは確かですが。

しかし、表紙にも『英語の「品」と「格」に関する言語学的教養・実践書』と銘打たれているとおり、英語という言葉の持つ品格について、一冊を通じていろいろと異なる切り口で、読みやすく書いてあります。

したがって、「看板に偽りあり」ということは、決してありません。

「言語学的教養・実践書」と書いてますが、比較的実践面の方にウェイトを置いているように思えます。
英会話・英作文・英文法の学習という面から見ても、得るものは多いでしょう。


ワタクシは英語の勉強をはじめてまもない頃、英語や英会話なんてとにかく「数」だ、単語やおきまりフレーズのおぼえる「数」をこなして、アタマの中で膨大な量のネットワークにしてしまえばいいんだと、割と単純に思っていたものです。

ストックさえしっかりしておけば、あとは脳からの、素材の取り出し方だと。

だから学習初心者のひと頃は、ひたすら英単語や英会話フレーズをおぼえては、速いスピードでアウトプットできるようにひたすら口に出し、あるいは紙に書いて…という「作業」に、英語学習の大半を費やしていたものです。

初心者がとるべきアプローチとしてはわりと正しかったかな…と、基本的には今でも、思ってはいるのですが。


ただ、今回この本を読んでみて、もし勉強をはじめた頃に、きちんとこういう本を何冊か読んでいたら、英語を学ぶということの意味を、もう少しちゃんと見すえて勉強できたかもな…と感じました。


たとえば、この本の中にもでてきますが、ワタクシは初心者の頃は、”Have some sandwiches."が、日本語の「サンドイッチをどうぞ」のニュアンスになると説明されても、どうしても心理的抵抗感がぬぐえませんでした。

いつもつい先頭に"Please"をつけたくなったものですし、つけないと「食えよ、オラ」みたいに思われるんじゃないか、だって命令形ってそういうもんだろ…という感覚から、なかなか離れることができなかったわけです。

学習を始めた頃にも、もちろんそれでOK、と書いてある参考書はありましたし、あちこちで読んでいたはずなのですが、ただ拒否反応のようなものはぬぐえなかった。

「命令形」という文法用語が、アタマにこびりついていたせいもあるんでしょうけど。


こんなことについてもこの本は「勧めること」と「頼むこと」の丁寧さ、という視点で、両者の違いをわかりやすく解説してくれています。

ポイントについては要所要所で「品格表現のコツ」としてまとめてありますので、これをおぼえておくだけでも読む価値がありますね。


あと、ところどころにはさまっている『イギリス上流階級の「品格ある」英語』というコラムも、個人的にはツボで面白かったです。

ま、アナタやワタクシのような普通の日本人学習者にとっては、イギリスの貴族と会話する機会なぞまず無いでしょうけど(あったら失礼・笑)。

それでもこういう話を読むと、言葉の裏にはりついている何かしら重たい歴史のようなものがかいま見えて、我々が学んでいるのはたんなる「技術」ではなくて、生きた血の通った人間が話す「言葉」なのだなぁ、とあらためて思ってしまいます。


たとえば、イギリスの貴族は初対面の自己紹介のときにHow do you do?を使い、I am pleased to meet you.とは決して言わない、とか。

同じく「もう一度言ってもらえますか?」というとき、イギリスの貴族は決して"Pardon?"とは言わない、とか。

面白いでしょ?皆さん、どちらも普通に使う表現だと思うのですが。

なぜかという答えについては、本を是非読んでくださいな。


ということで、英語や英会話の上達を目指すことって、やっぱり「言葉」という奥深い世界への探検なんだ、という当たり前ながらも忘れがちなことについて、あらためて気づかせてくれる本です。

英語がうまくなりたいアナタには、ちょっと涼しい日の午後のティータイムに一時間くらい時間をとって、ゆったりした気分で読んで欲しい一冊ですねぇ。

英語・英会話、非効率な人のほうがうまくなるのか?オススメ本。


しばらくぶりに、本日はおすすめ本のご紹介です。

ただし今回ご紹介するのは、英語・英会話のテクニカルな上達本ではありません。

ありませんが、前々回の 英語・英会話力アップに向けた当ブログのメッセージ、結局このひとつだけ。 でも触れた「成果を出すための時間管理」について、ワレながら未消化な説明だ…と思っていたことについて、実にうまく説明してくれていると思いましたので、ご紹介します。


なぜ仕事ができる人は「効率」を無視するのか? 逆転発想の時間術 (夏川賀央  著、 アスペクト、 1,429円)


オモムキとしては、ビジネス本・仕事の時間管理術に属するものですが、なに、「仕事(の成果)」という箇所を、「英語・英会話(の上達)」にコトバを置き換えて、読んでいけばヨイだけの話です。

それにオフィスで働いている方々ならば、仕事論・時間管理術も兼ねてますので、一石二鳥でしょう。
ランチ1~2回分のお金でこういう発想を学べるのなら、ワタクシなら、お昼ゴハンをスキップするほうをオススメしますね。


この本を読んであらためて思ったことでもありますが、英語・英会話の上達を志すのならば、英語・英会話の世界だけに集中していちゃダメです。

もっと言うなら、英語・英会話がうまくなることだけを考えていると、どうしても細かな技術論に目がいきがちになる。

たとえば、PleaseよりはCould I ask you to~のほうが、よりテイネイな表現だよとか、より細かいほう細かいほうに気持ちがどんどんと入り込んでしまって、そのうちに精神的な面での「ノリシロ」、余裕が無くなってくるわけです。


確かに、英単語やパターン表現を大量に詰め込むこと・一時期集中的に技術面を磨くことそのものは非常に大事ですし、学習のプロセスで避けて通れないことです。
言葉を学ぶんだもの、決して細かいことをやるなといっているわけではアリマセン。

ただ、問題なのは「そんな細かな世界からうまく遠ざかることができるか、そしてその後また必要に応じて、うまく戻ってくることができるか」という、いわば”つかず離れず”の技術を身につけられるかどうか、ということ。

フツーに英会話学校なんかに通っていたんじゃ、そんなことについては誰も、まず絶対に教えてくれません。

自分でこういう本を読みながら、考えていくしかないのです。


この本はビジネス版「無用の用」のお話、といった感がありますが、本を読んでいると、「ムダ」という単語がひんぱんに出てきます。

ただ、なんでもひとくくりに同じ「ムダ」という単語で呼んじゃいけないんだろうな…とも思いました。


たぶん本当の意味で「時間のムダ」に過ぎないものと、一見そう思えて「ムダ」ではないものがある。

同じ「ムダ」という言葉で呼んでいるわけですが、本質の異なるそのふたつをより分ける術をマスターするのが、われわれフツーの人にとっては難しいことなのでしょう。


筆者は「おそらくみんな、時間を大切にしすぎているのです。」と言います。

そして「『その時間がなんの意味ももっていないこと』をひどく嫌」う結果、時間を何かで縛って「効率化」に走るのがわたしたちだ、と述べています。

「効率」とは「リターンの大きさ」を考えることからでる発想だが、最初の時点でリターンの大きさを考えることにどれほどの意味があるのか、またリターンを顧みずにやる投資が本当に非効率なのか、とも問いかけています。


英語・英会話の学習だって、まったく同じことが言える…と思うわけです。

「三ヶ月後に英語がペラペラになる画期的方法!」的アプローチにどうしても引かれてしまう(笑)人は、読んでおいて損のない一冊だと思いますよ。

ランチ二回分のお金で学ぶ、Sweetな英会話フレーズ集。


このブログでも、過去何冊かオススメしている、ディビット・セインさんの新刊です。

「省略英会話BOOK ― ここまで略しても通じる!」 (David A.Thayne 、小池 信孝 著、主婦の友社、1,050円)


日本語には、短くてすむところをあえて長くして全体の衝撃を和らげ、聞き手に配慮する…といった性格が、ひとつの方法というか、もともとの機能としてあるように思います。

なので、日本語では長い文章であること自体、必ずしも悪いことではないのですが。

日本語の場合、意味は同じであっても、短い意図を長くぼかして表現することで相手に配慮するという効果を狙うし、文の長短でそのニュアンスもはっきり違ってくると思うんですよね。

だから日本語では、ニュアンスとして短い文章=長い文章、ではないケースも多い。


そのせいか、英会話学習者の中には、短い表現だとぶっきらぼうで聞き手に失礼なんじゃないか…と、よけいな気を回して(笑)心配する人が、結構います。


この本にも書かれているとおり、現代英語は、たとえ表現として短くとも、長い文章とまったく相手に与えるニュアンスが変わらず、失礼にも当たらないものがほとんどです。

むしろ短いほうが機能的で美しい、この本でいうところの"Short and sweet English"として、聞き手に好まれるもの。

相手にとって失礼かどうかは、文の長短というよりも、使っている単語やその中味で判断されるのが英語、ということになるでしょうか。

日本人がついやりがちな、「正しいながらも長い英語」を、長くてもせいぜい2語~7語程度でこう言える、という視点で、様々な生活シーンにおける短い英語表現を、シンプルな解説もつけてコンパクトにまとめあげた一冊となっています。


ところでこの本のタイトル、商業的インパクトはありますが、厳密には「省略」というのは、ちょっと違うんじゃないか…と思いました。

「省略」を国語辞書で引くと、「簡単にするために、一部を取り除くこと」などと定義されていますよね。

この本にある数々の短い英語表現は、わざわざ為に短くしたわけではなく、もともとこの本に掲載されているような短い表現が、「英語という言語の本質に即した、正規の表現」に属していると思うのですよ。

長い文章の適切な表現があって、そちらが本来的に正しいのだけれども、意が伝わる程度に短く「省略」したということではなくて、「最初からこれだけで必要十分な、短い英会話表現」を、主に集めている本なのです。

Modern Englishでは、短くてすむところを、薄めて長く引き伸ばした表現にすることこそむしろ避けるべき、とされていますからね。

だから、「省略英会話」というのは、厳密には多少のズレがあると思う。

ま、マーケティング的にはインパクトのあるタイトルになっているし、さほど目くじらたてることでもないですけどね。


さて、肝心の中味ですが…。

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海外旅行で、街中の標識や看板が読めず不安だったアナタへのオススメ本。


大手英会話スクールの編集本は実は意外によいものが少なくて、これまで当ブログでは、あんまりオススメしてはこなかったんですが。

本日はその例外?になりますが、新刊を一冊、推しときます。


教科書にのってない海外日常英語がわかる本  (英会話のジオス、2,100円、ジオス)


なんといっても、この本は一冊丸々、カラー写真だらけ。

見開き2ページのどちらかに看板や標識、メニューや案内板のカラー写真がスペースも大きく掲載されていて(写真の中の英文を読ませるのが目的なので)、見ているだけで楽しいですね。


本のまえがきによれば、NYやロンドンで働いて生活している日本人が、現地でとった街角の看板やレストランのメニュー写真を掲載しているとのことで。

あわせて、彼らの現地の生活における体験談コラムなんかも載っています。

となると、やっぱりこれらの現地のサポーターの方々には謝礼とか払ったりするんでしょうし、そりゃ資本のある大手企業でないと、こういう発想の本はなかなか企画・出版ができませんよねぇ。

そのためか、はたまたカラー写真だらけで製本コストが高くついたせいか(ちなみにCD付)、値段は若干お高めではありますが。

それでも、日本にいながらにして、アメリカやイギリスの街中の看板だの標識だのに書かれるような英語をまとめてチェックできる本というのは、ちょっとそうは見当たりませんので、手もとにおいておく価値はあると思いますよ。


まずは、この本に掲載されているカラー写真の広告文や標識のサインがどれだけ読めるか、ひととおりパラパラとめくってみて、一冊まるまるチェックしてみることをオススメします。

そりゃもともとが、皆が一瞬でわかるようにするための看板や標識なんで、一瞬ですぐにわかるものもかなり多いはずですが、??と思わずなってしまうものも中にはあったりして、すべての写真内の英文についている対訳などをチェックしていると、あっという間に時間がたってしまいます。

この本の帯には、「TOEIC対策に」的な宣伝コピーが載ってますが、TOEIC対策だけなら、ここまでやる必要はないでしょう。

むしろこの本は、「これまでアメリカやイギリスに旅行にいったとき、街中で看板や標識が読めずにちょっと不安だったり、イラッときていた人、あるいはレストランでメニューがよく理解できず、食事のお味にまでイマイチ影響がきていた人」などにとって、ピッタリなんじゃないかと思います。

ま、これは単に、ワタクシがこの本を買った理由のひとつですが(笑)。


海外旅行を楽しむためには、そういった細かいところのストレスの積み重なりがやっぱりバカになりませんし、看板やレストランのメニューくらいは、ほぼ全部スパスパとわかったうえで、旅を続けたいものです。

しかしそれにもかかわらず、ご存知のとおり、専門的な論文や社説などはスラスラと読めるくせに、看板にかかれたこういったごくシンプルなメッセージが何を意味しているのかがよく理解できずに人知れずこっそり不安を感じている…という人は、この国には意外と多くいるじゃないですか。

文化的な背景知識の問題だったり、単語を知っているか知らないか、という問題だったりするときもあるでしょうが、こういうのは基本的には、単なる「慣れ」の問題だと思うんですね。

ですので、「英語学習の参考書」と堅苦しく考えずに、「この写真の標識はなんて書いてあるんだろう?」とパラパラめくって楽しむための本と考えて、マンガや小説を読むようなつもりでリラックスして接するのが、一番ヨイんじゃないかと思います。

ちなみに、全体の9割くらいはアメリカ編で、最後に1割ほど、ロンドン編が入っています。


個人的には、このロンドン編に載っているパブの入り口の看板写真などが、なんとなくなつかしかったですね。

うーん、Fish&chipsとGuinnessで、また一杯やりたい…。

英会話学習本、近頃は良書多し。またまた、必読の一冊。


気のせいかもしれませんが、最近は英語・英会話学習本の質がなんだかグッと上がってきているようで、「これはいいな」と思える本が、いくつも目につきます。

新刊のようですが、この英会話学習本、オススメします。


英会話の正体―地道な努力が報われる本(山本大 著 国際語学社、1,365円)


以前ご紹介した、「ネイティブ信仰はやめなさい」(当ブログの紹介記事はこちら)と一緒に、この本もぜひ読んでいただきたいですね。

この二冊は、英語・英会話学習にたずさわる者ならば、読んで絶対に損はしないと思います。


この二冊の著者に共通するのは、やはり数十年にわたりこの日本で日本人に英語・英会話を教え続け、その習得に苦しむ日本人の姿を、見続けてきたことでしょうか。

そして、これまで喧伝されてきた「俗説」としての数々の学習法が、日本人の英語学習において必要なプロセスではないということを、実体験を加味しつつ、わかりやすく説明している点でしょう。

俗説とは、「Think in English、英語で考えろ」「英語は聴けなければ話せない」「ネイティブとたくさん会話することが大事」「文法は気にせず、どんどん話してみよう」といったようなことですかね。
他にもたくさんありますけど。

"Think in English"については、英会話学校でそうやって生徒を指導しているネイティブの講師たちが、おそらく今でもたくさんいるんでしょうね。

(これは私見ですけど、"Think in English"はうまくなってはじめて、やるべきことです。ビギナーとして英会話学校に来ている生徒には、むしろ禁句の部類ですね。)

あと、「聴けなければ話せない」というのは、ものの言い方として「宝くじは、買わなきゃ当たらない(そういや、年末ジャンボの季節ですな)」とかいって、たくさん買い込む人になんだか似ている…と思いませんか。

宝くじをどれだけたくさん買っても高額賞金がまず当たらないのと同様、いくらたくさん聴いたところで、それだけで「ある日突然、英語が口からあふれだす」(といって、新聞広告などで大々的に宣伝している英会話教材もありますが)…なんてことは、フツウ無いんですよね。

そこまではウスウス直感的にわかっていても、ではナゼ?そうならないのかについては、きちんと説明できるでしょうか…。

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おススメ英会話本のご紹介、トッピングで「私の学習スケジュール」も。


しばらくぶりに、オススメ英会話本のご紹介です。


新刊で、この4月にもおススメした、「コレ英語でいってみよう!」の続編にあたる、”オフィス英会話&ビジネスシーン版”です。
本の構成・編集・デザイン面も前著を踏襲したスタイルで、再度オススメしたいと思います。

オフィスのオトナ語ぴったり英語フレーズ―コレ英語で言ってみよう! 2 (岩村 圭南著、アルク、1,470円)

といっても、パラパラ見た限りでは、オフィス以外、学校や家庭、ごく普通の会話シーンで使える英語フレーズがずいぶん多いようですから、会社勤めをしていない方であっても、まったく問題なく使える本です。

さて、この本の内容構成は、前回の記事英語表現のバリエーションを増やすための、おススメ本。のビジネス版として考えてよいので、前回の記事をご参照いただければと思います。

今回も、365フレーズ(一日1フレーズのペース)から成っています。

前著と異なる点としては、あらかじめCDがセットされていること(前著は、音声ファイルを有料ダウンロードでした)。
コストパフォーマンス的にはこちらのほうがありがたいので、これは改善と言えるでしょう。

さて、これで終わってもなんですので、この記事を書いた本日がちょうど11月の真ん中でもありますし、「この年末までにこの一冊をマスターする場合、ワタクシならこうする」という、勉強スケジュールを、ご参考までに書き添えておきましょう。

あくまで、ひとつのやり方ですけどね…。

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「ネイティブと話す機会がない」とお嘆きのアナタに、オススメの一冊。


最近、英語・英会話本のオススメがフレーズ集などに偏りがちでしたが、久しぶりに「今の日本における英語と英会話の現状」を正面から論じた、読みごたえのある一冊の新刊に出会いましたので、ご紹介します。

「ネイティブ信仰はやめなさい」 (古波蔵 勇著、イプシロン出版企画、1260円)

作者の方は、どうもこれが、はじめての著書のようですね。
英語の教授暦20年以上で、英検一級、TOEICスコア990、通訳案内士の資格を持っているものの、海外には旅行を含めて一度もいったことがない、英語の達人のようです。

本を開いた直後、「はじめに」のところで、著者の主張としていくつか書かれている下記のフレーズをちらっと見ただけで、思わず読んでみたくなりませんか?

これまで英語・英会話力アップのために常識的に当然だろうと世間一般で思われていることが、なぜそうではないのかを、わかりやすく論理的に、ユーモアも交えながら、説得力のある説明を展開してくれています。

 ・小学校英語必修化は日本を滅ぼす。
 ・ネイティブは英語を教えることができない。
 ・英会話は一人でも練習できる。
 ・ネイティブは英語の文法を知らない。
 ・「生きた英語」は幻想に過ぎない。
 ・ネイティブも実は発音がわからない。

いかがですか、なかなかに刺激的(笑)でしょう?

他にも、「聞けなければ話せないは大嘘」「TOEIC信仰もやめなさい」など、世間にはびこる英語上達法と一線を画した主張を、理由付きで丁寧に説明しています。

ネイティブとの対比で英語や英会話の実力をはかりがちな傾向を戒め、同時に海外留学や英会話学校通いが無くたって英語はうまくなる(著者が生きた見本ですね)という希望を、この日本でネイティブとの会話など縁遠いままに、コツコツと英語を学ぶ人たちに、きちんと示してくれています…。

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通勤電車で読んでおぼえるのにピッタリの、実用英会話フレーズ集。


ワタクシは自分で買った本のなかで、「これはイイ!」と気に入ったものだけ、この「そこツボ!」で、ときおりオススメするようにしているのですが。

自己分析の結果、自らがオススメする本の傾向として、「英会話フレーズ集、しかも一冊に300フレーズ前後が収められているくらいのサイズのもの」を、とりわけ好んで紹介している場合が多いことに、気づきました。

だんだん分厚い本や長文ものをこなす気力や体力が、薄れてきているんでないの…と、ワレながら内心、チョッと気にしてはいるんですが。


ま、それはともかく、今回も一冊、オススメします。

つい最近でたばかりの、新刊のようですね。
千円札一枚で買えるにしては、お買い得感が高かったように思いました。

「このニュアンス 英語にできますか?」 (ヴォリューム・エイト著、成美堂出版、998円)

著者は名を明らかにしていませんが、日本人であることだけは、絶対に間違いないですね。

しかも、おそらく、ビジネスマンなんじゃないかな。
サラリーマンが日常で使うフレーズのチョイスなどは、実に、ツボにはまってますしね。

オススメの理由としては、日々をこの日本で暮らす日本人でなければなかなか気づかないような微妙なニュアンスを含む日本語表現が、たくさん収められているからです。

”日常の生活で使われる日本語を英語にすると、何と言うか”という視点で編集された英会話フレーズ集は、それこそ掃いて捨てるほどありますよね。

それらの本ではほとんど見たことがないような表現も、この本には結構入っているのですが、それにもかかわらず、この本にのっているような言い回しを確かに普段よく使っていることに、言われてみてあらためて気づく。

一読して、そんな風に感じる本なのですね。


会話のボディを構成する表現ではないけれど、つなぎ目となり潤滑油となって会話そのものが走っていくのには欠かせない、フレーズや言い回し。
それらをスムーズに英語で言えたなら、どれだけ会話するのが楽になるかは、容易に想像がつきますよね。

まずは書店で、別の日常英会話フレーズ本とも比べて、チェックしてみていただきたいのですが、たとえば、こんな表現が入っています…;

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Working Vocabularyを効率よく身につけたい方へおススメの英単語帳。


「猛暑一服」などという見出しをチラホラ見かけますが、あくまで「猛暑」が、しかも、「一休みしている」だけのようですねぇ。

「暑いナツ」は、まだまだ日本にどっかと居座って、動きそうにアリマセン…。

こんな酷暑の時期には、英語の勉強でもなんでも、とにかく短い時間で効率的に!やらなければイケマセン。

実用度が高くて即効性がありそうな英単語本を一冊、ご紹介しておきます。

「世界一便利な単語帳 ― 知ってそうで知らない実用英単語」
(英語力向上委員会 編 ディビット・セイン 著、アイビーシーパブリッシング、1,260円)

タイトルどおり、ホントに「世界一」かどうかはわかりませんが、コンパクトで、収録単語数も多すぎず少なすぎず、すでに皆さんが知っている単語も適当にちりばめられていて(ここ、英単語の記憶については大事です。以前の記事をご参照ください)、実用英単語帳として取り組みやすそうな編集になっています。

英単語のおぼえ方そのものには言及がありませんので、自分なりに工夫しておぼえていく必要はありますが、まぁ日常英会話のどの分野でも、これくらいの英単語を会話で自在に使いこなせたとしたら、そんなに不自由はしないだろうな…という、いわば収録単語の「選定と、範囲の見切り」がとても上手な、英単語帳だと思いますね。

以前、英単語本でこれをオススメしていますが、英単語の勉強は「量」と「質」の両面から追いかけていくのが、英語の実力としても、またメンタル面においても、もっとも効果が高まるような気がします。

やみくもに数を増やすために辞書のAからおぼえていくようなやり方では、自由自在に使いこなせるWorking Vocabularyが、なかなか増えていきません。

しかし、それではと数を絞って実用度の高い単語だけをおぼえることだけですますと、Recognition Vocabulary(認識語い)の数が少ないという、内心の不安が場面場面で顔をのぞかせイマイチ自信が持てなくなりますし、長期的な英語の地力向上という点でも、やはりそれだけでは足りないわけです。


読んでいて「あぁ、これ、意味はわかる」というRecognition Vocabularyの数は、皆さん結構多いと思うんですけれど、英会話や英作文でストレスなく自由自在に使いこなせるWorking Vocabularyには、イマイチ自信が…というところではないでしょうか。


ということで、「暑くて勉強どころじゃ…」というヒトも多いと思いますが、一日5個や10個の英単語をおぼえるだけでも、それがアナタの英語にとっての進歩であることには違いありません。

体調と相談しながら、マイペースで少しづつ、進んでいきたいものですね。

管理人の「オススメ!英語本リスト Vol.2」(2007年7月末現在)

キリのいいタイミングで、これまでの日記の中でご紹介してきた管理人オススメの英語関連本を、紹介記事付きでリストにまとめるようにしています。

ということで、今回は、Vol.2となります(なお、Vol.1はこちらです)。

自分にあう・あわないはあると思いますが、「こんな良質の本が1,000―2,000円程度で手に入れられるとは」というようなモノを選んでご紹介しているつもりです。

新刊本や発行部数の少ないものは、書店のコーナーにいつまで並んでいるかわかりませんが、そういうことにかかわりなく、ヨイものはヨイです(笑)。

書店にない場合は、Amazonなどをチェックしてみてくださいね。

また、以前もご紹介したとおり、Amazonのマイページに自分用ブックリストを作り、以下のオススメ+自分の気になった本をリストアップしておくと、いざというときのチェックも速くて、とってもヨイです。


・英会話

ネイティブ英語の10ヵ条―もっと話せる!もっと伝わる!!
(デイビッド A.セイン (著) 、インディゴ出版、1,200円)
紹介記事:アナタの英会話力を「つや出し」するのに、ピッタリの一冊。(2007年7月25日)

英会話フレーズ2220―細かく言い表し伝えたい
(小林 敏彦 (著), ショーン M.クランキー (著) 、三修社、2,100円)
紹介記事:この本を一冊覚えたら、英会話に大きく自信がつくこと、間違いナシ。(2007年6月24日)

話す力をつけるための日英翻訳レッスン
(青戸ゆき 著 はまの出版 1,470円)
紹介記事:英会話のアウトプット力をあげたい人への、オススメ新刊書。(2007年5月26日)

・英単語

ネイティブの小学生なら誰でも知っている 英単語10000語チェックブック
(晴山 陽一 著、ダイヤモンド社、 2200円)
紹介記事:本日は、またまた本のご紹介です。(2007年6月2日)

・リーディング/ライティング

英語のブログを読んでみよう アメリカ人のブログを読んで「英語力」を上げる!
(ごく普通のアメリカ人26人/オフィス・サウス、廣済堂出版、1,575円)
紹介記事:ちょっとした日常表現を英作文してみることが、楽しめる本。(2007年7月5日)

ライティング・パートナー ― プロのイギリス人ライターに学ぶ英文の基本ルールから書き方のコツまで
(クリストファー・ベルトン 著, 渡辺 順子 訳、コスモピア、2,310円)
紹介記事:グリーティングカードを、英語でサラサラと書きたい方へ。(2007年6月10日)

・その他

アメリカ人の英語―文化と言葉のまるわかりガイド
(ディレリ・ボルンダ ジョンストン (原著・著),伊藤 菜摘子 (翻訳) 、NHK出版、¥1,050)
紹介記事:アメリカ英語とイギリス英語の違いを学ぶには、この本で。(2007年5月11日)

 

 

アナタの英会話力を「つや出し」するのに、ピッタリの一冊。

本日は、オススメ本のご紹介です。


ネイティブ英語の10ヵ条―もっと話せる!もっと伝わる!! 
(デイビッド A.セイン (著) 、インディゴ出版、1,200円)

この6月頃に発売された本ですね。

基本的な英会話表現を使える人が、その会話表現のほんのちょっとしたところに気を配って、つけ足したり修正したりするだけで、より生き生きとした、英語らしい英語になってくる。

いわば、あなたの英会話表現の「つや出し」をしてくれる本、そして、あなたが身につけようとしているのが英会話の単なる技術ではなくて、コミュニケーションそのものなのだということを、あらためて思い起こさせてくれる本です。

タイトルにもうたっていますが、「強調して」「ソフトに」「フレンドリーに」「丁寧に」「自然でカジュアルに」「楽しく」「上品に」「慎重に」「知的に」「短く」、話すべし!と、10ヵ条から成る切り口を設定してあります。

そして、これまで学校英語で学んできたような英会話表現が、より生き生きとしたフレーズに生まれ変わるよう、「ふつうの英語」VS「もっとネイティブな英語」として、日本語訳もつけ微妙なニュアンスの違いがわかるように対比させながら、実用的なフレーズをコンパクトな解説付きで掲載しています。

この本を一通り読んで、このデイビッド セインさんは、英語を聞く側への配慮を高めることが、英語力を向上させるカギになると考えているんだな、と感じました。

ワタクシは、彼の著書を何冊か持っていますが、どの著書も、「アナタの英語を聞いた相手がどう感じるのか」を、ていねいに説明しています。

終戦後の英語教材などほとんどなかったような時代ならともかく、これだけ英語を勉強する環境が満ちあふれている、いまの日本。

「とにかく言いたいことが伝われば、それでいいのだ」という態度で英会話を学ぶことから、もう日本人を卒業させることが自らの使命だと、ひょっとしたら、彼は考えているのかもしれません。
それくらい、彼の著書はすべて、「聞く相手の目線と感情」に一貫してこだわった編集がなされています。

とくに初心者の人こそ、学習の最初から、このような細かい微妙なニュアンスの違いにこだわった本を読むところからスタートしたほうがよいと思います。

日本の英会話教育は、どちらかというと、「文法重視、最初は意味さえ正しく伝わればOK」という、いわば「自分中心主義」的な学習アプローチが長く続いていました。

表現のブラッシュアップなぞ、そこそこ上達した後に、最後のつけたしで…という雰囲気が強いような感さえありますが、英会話もコミュニケーションの手段である以上、相手の感情と思いに気を配ることを学習の初期段階で意識して身につけていくことで、得られるものがたいへんに多いように思います。


この本から、1つだけ例をあげておきますね…。

アナタの英会話力を「つや出し」するのに、ピッタリの一冊。の続きを読む

ちょっとした日常表現を英作文してみることが、楽しめる本。

以前、「英語の日記を読んでみよう」という本をこのブログでご紹介しましたが、同じ編者からその続編がでましたので、ご紹介しときます。

「英語のブログを読んでみよう アメリカ人のブログを読んで「英語力」を上げる!」
(ごく普通のアメリカ人26人/オフィス・サウス、廣済堂出版、1,575円)

まぁ、入れものが「日記」から「ブログ」になった第二弾と思ってもらえればわかりやすいと思いますが。

この本はね、パラパラと読んでいると、とても楽しいですよ。

それに、上の本のURL内紹介ページの「目次」に書かれている日本語を、ちょっと見てみてください。
こういうニュアンスの日本語を英語にできたら、ナチュラルでなかなかヨイと、思いませんか?

この本の「はじめに」でもかかれてありますが、「本当に使われている身近な表現は」、われわれ日本人が目にする英語の「テキストには登場しない」ように、現実としてなっていますからね。

日本語でもそうですが、日常会話というものは、文法的にはところどころヘンだし、品のない言い回しも、よく登場します。

やはりテキストをつくる側としては、インフォーマルな表現の掲載には、神経を使いますからね。

加えて、ティーンエージャーと中高年でまったく表現のしかたが変わってきたりして、世代間ギャップの大きさなども考え合わせると、出版社としては、広い読者層を対象とするごく普通の英語テキストには、アブナくて載せられないでしょう。

しかし、一方で、ワレワレが英会話でモノにしたい表現は、そういう教科書英語から離れた、「血の通った、いきいきした普通の表現・言い回し」であることが多いのも、また確か。

この本は、もともとが普通のアメリカ人が書いたブログから、彼らの生活シーンの断片を抜き取ったものですから、そういう生きた英語が山盛りになっていると同時に、ステキな日本語訳を読んでいるだけでも、楽しめます。

オススメは、気になった日本語訳を、ときどき文章を取り出して、英訳してみることですね

自分の英文がナチュラルな英語から、どれくらい遠いのか?などもチェックできて、勉強にもなります。

たとえば、この本のなかにある、「あれほど泣いたのは、ずいぶん久しぶりだったわ。」という訳文を英語に戻してみると、

It's been a long time since I cried like that.

くらいに書くヒトも多いでしょうけど(もちろんこれでもいいですが)、この本の原文では、

I haven't cried that much in a long, long while.

となっています。

こういう英文がスラッとかけると、オシャレだと思いません?

とまぁ、こんなふうに原文の日本語訳を読んで感心したり、英語ではそもそもどう書かれているのかをチェックしてみたり、自分でも書いたりしていると、楽しめますよ。

この本を一冊覚えたら、英会話に大きく自信がつくこと、間違いナシ。

書店に行きまして、おススメ本をまたまた発見しましたので(もちろん自分でも買いました)、ご紹介します。

どちらかというと、対象は、中級者から上級者向け、といった気がします。

が、英会話ビギナーでも根性のあるヒトは、「この本を一冊、丸暗記する」という覚悟で臨むと、ものすごく英会話力がついたことを実感できると思いますよ。

英会話フレーズ2220―細かく言い表し伝えたい  
(小林 敏彦 (著), ショーン M.クランキー (著) 、三修社、2,100円)


この本は、だいたい分類からして、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」「思考」「欲求」という、あまり見ない章立てになっています。

ワタクシは、最近は英会話のフレーズ集はあまり買わなくなっていまして、買うにしても、例文が100とか200とかの短めで一冊が終わるヤツ、言い換えれば「手早く読み終えられそうで、しかも効果的に思えるヤツ」だけに、絞っているんですね。

ただそんな中でも、これは久々に、腰を据えて、読んで血肉にしたい、英会話フレーズ集だなと思いました。


冒頭、「はじめに」の箇所では、このように、本の紹介がなされています。

「普段の日本語の会話ではよく耳にしたり使ったりしているのに、英語であえて言うとなると上級者でも意外に言えない、または以前言ってみたことがあるが自信がなかった、と思われるフレーズに焦点を絞りました。」

「…本書は英語のネイティブスピーカーがよく使うフレーズを紹介するのではなく、日本語母語話者が日本語で話すのと同じくらいの正確さで、見聞きしたものを他者に英語で伝えることに、主眼を置いたものです。」

この紹介どおり、日本語ではよく使う言いまわしでありながら、なぜかそのあたりの英会話フレーズ本には載っていない、非常に微妙な表現が数多く、ナチュラルな英会話フレーズとなって収録されています。


この本に採用された日本語表現を、いくつかあげておきますね。
どういう英文になっているかは、本で実際に確かめてみてください。

たとえば…

この本を一冊覚えたら、英会話に大きく自信がつくこと、間違いナシ。の続きを読む

グリーティングカードを、英語でサラサラと書きたい方へ。

本日は、また一冊、英作文の本をご紹介します。

ライティング・パートナー―プロのイギリス人ライターに学ぶ英文の基本ルールから書き方のコツまで
(クリストファー・ベルトン 著, 渡辺 順子 訳、2,310円、コスモピア)

日本人のための英作文の本は、著者が日本人で、ネイティブが監修しているものが比較的多いのですけれど、この本は、日本に23年住んでいるイギリス人著者の手によるものです。

どうりで、日本人が英作文で苦手とするようなツボを、きちんと抑えているわけですね。

この本の特長は、ごく基本的な英文法はすでに読者が身に付けているという前提にたって、学校ではなかなか教わってこなかったような英作文の勘所について、ポイントをずばっと簡潔に語りかけてくれているところです。

たとえば、think 「思う」ですが、この語は「自分の知る範囲ではそうだ」、というニュアンスですから、自分の主張として強く述べる英文を書くときには、英作文においてはthinkを使うべきではない。

まわりくどいことを言わずに、このようにポイントをスバッと指し示し、いくつかの例文と共に示してくれています。

このようなことも、アタマの片隅ではわかっているくせに、ついつい自信なさげにI think…で書き出してしまう(笑)、私たち日本人。
こういう本を読んで、「I think...英作文症候群」から(笑)、自信をもって脱却するべきでしょう。

ほかにもいろいろありますが、英作文の本としては珍しくも、普通の小説のように、「まず一冊通して読みたい」と思わせるところがあります。
つまらない小説を読んでいるくらいだったら、こういう本を読む方が、きっと密度の濃い時間を過ごしたような気分になると思います。

後半の「ジャンル別 書き方のテクニック」では、「メモや伝言の書き方」、「グリーティング・カードの書き方」などについても、解説されています。

こういうちょっとしたメモや、メッセージを書く機会が珍しくないわりには、これらについてちゃんと解説している英作文の本は、なかなか見かけないように思いますが、どうでしょうか。

オフィスでネイティブと日々働く皆さん、伝言メモやグリーティング・メッセージなどは、ちゃんと自信をもって書けていますでしょうか?

私などは、PCB(Please call back.)などと、あっさり一言ですませることが多かったので、この本はずいぶん参考になりました。
ま、今となっては、メモを残す機会そのものが、無くなってしまいましたけれども(笑)。

ということで、ちゃんとした「ライティング・パートナー」を探しているアナタは、書店でチェックしてみてはいかがでしょうか。

本日は、またまた本のご紹介です。

また、衝動買いしてしまいました(笑) …。

この衝動を、誰かと分かち合いたい!ということで、買った本はこれですが。

ネイティブの小学生なら誰でも知っている 英単語10000語チェックブック 
(晴山 陽一 著、ダイヤモンド社、 2200円)

筆者によれば、この本は、使える英単語、すなわち運用語彙をひたすらチェックするための、「英単語の大量トレーニングマシン」ということです。

10歳ぐらいのネイティブの子供は15,000語くらいを習得しているとのことで、しかもそれらは、日本人が「大学受験必須単語として学ぶ英単語」と、かなり重なっているとのことです。

ちなみに、TOEICで高得点を取るためには、9,000語くらいが必要とのことですが、数だけで言えばネイティブの10歳の子供の語彙に、6,000語近い差をつけられているというのも、ちょっとショックですね。

ということで、この本は、アメリカ人が10歳程度で取得している語彙から10,000語をチョイスして、英単語チェックブックとして、日本人向けにまとめあげたものです。

ほぼ1,000語のチェック用の英単語が1つのチャプターに収められ、三択から正解を選ぶクイズ形式で、合計10のチャプターから構成されています。

ワタクシは思うのですが、大人が、英単語の勉強を効率よくまとめてしたいとき、学習の限界点がどこかということを読者にはっきり認識させてくれている教材は、ポイントが高いです。

この本を一冊マスターすれば、少なくとも、ネイティブの小学生並の語彙力を有しているということだけははっきりするわけで、英会話のためのボキャビルとしても達成感を得やすく、なかなかスグレモノだと思いました。

英単語集としてみると、高難易度の単語だけでまとめたり、分野別に分類していないところも、高評価です。

以前も書きましたが、知ってる語と知らない語が適当に混ざっている方が、覚えるのにも、実際の場面で使いこなしていくためにも、英単語集としてはより適した構成だと思っていますので。

難しいことは何もなくて、最初からひたすらどんどん飛ばし気味に、知っている単語かどうかのチェックだけを、していきます。

すでに知っているならば読み飛ばし、知らない単語・つっかかった単語だけを、赤ペンでチェックマークをつけていく。個人的には10のチャプターのうち5番目くらいから、難しい単語がぽつぽつと登場し始めるように感じました。

最後のほうなど、果たして自分が10歳のネイティブの子供に太刀打ちできるかどうか?という、厳しい気配が(笑)漂ってくるのを感じるはずです。

英会話のアウトプット力をあげたい人への、オススメ新刊書。

久しぶりに、今書店で平積み状態の「新刊書」のご紹介をしたいと思います。

話す力をつけるための日英翻訳レッスン  (青戸ゆき 著 はまの出版 1,470円)

最近は本屋に行っても、英語本コーナーには必ず立ち寄るのですが、なるべく新しい本は買わないよう気をつけています。

昨日もチラッと書きましたが、なにせ、これまで買ったはよいものの読了していない本が、まだずいぶんとありますので…。

しかし、そんな中でもこの本は、「これは買わずばなるまい」と思って買った本です。

作者は、以前私が御紹介した「あなたの英語の穴」の著者でもある、翻訳者の青戸ゆきさん。

この本は、「英会話のアウトプット力をあげる」というただ一点に、コンセプトが明快に絞りこまれています。

取り上げられている題材は、誰でも子供の頃に読んで知っているアンデルセンやグリム童話ですので、純粋に「英語でどうアウトプットするか」に集中した練習をすることができます。

初級者にも、中級者にも得るところの多い本です。

構成としては、左側ページに1行ずつ書かれた日本語、右側ページにヒント。次のページの左側に、模範解答となる英語。
右ページにはその英語に関しての1行解説やこういう訳もあるよ、という代替訳などが載せられています。

ある程度英語が出来る人は、左側の日本語を逐次通訳するように、どんどん訳していくとよいでしょう。
初級者は、詰まったら、右側のヒントを見ながら、訳を考えていくことで、アウトプット力を磨いていくことができるように工夫されています。

こういった、一人でアウトプットの練習ができる本は、英会話学校にいったりするお金やヒマの無い人には貴重だと思います。

手に取ってごらんになれば、ひとりで英会話のアウトプットをするための最適な構成をよく考え抜いて作られた本だということが、すぐにおわかりになるでしょう。

オススメです。

アメリカ英語とイギリス英語の違いを学ぶには、この本で。

皆さんは、ふだん勉強されるとき、アメリカ英語とイギリス英語の違いについては、どれくらい意識されているでしょうか?

まぁ、覚えることや使いこなすことに必死で、とても細かい違いまで目配りしてる余裕がないよ…というのが、実際のところじゃないですかね。

ワタクシもそうでしたし、昔よりは多少違いに気を配るようになったものの、まだまだ全然ダメです。

しかし、外国語を話すということは、つまるところその国の文化や慣習の中に半身を浸けているようなものです。

両者の違いに関する知識を持っていることは、アナタが英語が上手くなればなるほどに、その上達を加速するいわばスパイスとして、じわじわと効いてくるのです。

ホントですって(笑)。

ということで、英語・英会話の上達に速攻で寄与するということはないと思うものの、後々のために読んでおいたほうが絶対によいと、自信を持ってオススメできる本を、ご紹介しておきます。

アメリカ人の英語 ― 文化と言葉のまるわかりガイド
(ディレリ・ボルンダ ジョンストン (原著・著),伊藤 菜摘子 (翻訳) 、NHK出版、¥1,050)

これは、ロンドンに移住したアメリカ人作家が、主にイギリス英語圏の人を対象にアメリカ英語との差異をジャンル別に記した原著”Speak American”の翻訳本です。

日本人向けの注釈は特段入れていないにも関わらず、まるで、そもそも私たち日本人の英語学習者のための本じゃないの?と思うくらいに、興味深く読めます。

今後、アメリカとイギリスに留学なり旅行なりでまたがって行く可能性のある方には、特にオススメしたいガイドブックとなっていますね。

ディナーにお呼ばれした時の振る舞いとかチップの目安、会話上タブーとなる話題など、渡航時のマナー本としても読んでも、様々な新しい気づきを与えてくれます。

また学習者にとっても、目からウロコ状態の一口知識的な記述が多くて、これまで英語に触れる過程で漠然とやりすごしてきたささいな疑問を、これ一冊でかなり解決できるかもしれません。

例えば、「24時間表記はアメリカでは基本的に使わない、16:30が午後4時半と理解できるのはアメリカでは軍人だけ」、なんて、ご存知でしたか?(金融業界の人なんかも、さすがにわかると思うんですけど…)

また、「トイレはどこですか?」は、なぜアメリカではWhere is the toilet?とは決して言わないのか?、とかね。

皆さんが辞書で見ているにもかかわらず、バクゼンと放置しているに違いない(笑)、米英のつづり(Spelling)の違いについても、わかりやすくまとめてあります。

文章を読んでいて、「あ、これはイギリス英語だ」と気づいたりする瞬間も、なかなか楽しくていいですよ。

ということで、読んだ分だけ英語、そしてアメリカとイギリスが身近に感じられるようになること間違いなしの、良質ガイドブック兼楽しい英語の読み物、です。

マジ、オススメですねぇ。

管理人の「オススメ!英語本リスト Vol.1」(2007年4月末現在)

これまでの日記の中でご紹介してきたオススメの英語関連本を、リストにしてひとまずまとめておきます。参考にしてみてください。

有名なものもありますが、発刊が古かったり毛色の変わったのも混じっており、一般書店ではいまやなかなか手に入りにくいものも、含まれています。

Amazonのユーズド出品なども、参考にしてみてください(本の価格は定価〔税込〕)。

・英会話

このひと言で伝わる!NHKラジオ英会話一発表現300 (大杉正明、日本放送出版協会 1,365円)
紹介記事:GW中はひとつ英語の勉強でも、と奇特にも(笑)思ってる方に。(2007年4月28日)

コレ英語で言ってみよう!(岩村圭南、アルク、1,029円)
紹介記事:英語表現のバリエーションを増やすための、おススメ本。(2007年4月25日)

ネイティブはたった100語で話している!(ディビッド・セイン著 田村・ティム・隆幸訳、ダイヤモンド社、1,470円)
紹介記事:(3)英会話 表現のバリエーション(2007年1月21日)

魔法の発音 カタカナ英語(池谷祐二、講談社、1,470円)
紹介記事:(4)発音記号は嫌い(2007年2月3日)

・TOEIC

TOEICテスト 「正解」のたねあかし(高橋基治、小学館、1,470円)
紹介記事:(9)TOEICについて色々(2007年1月14日)

・英単語

あなたの英語の穴 ― 覚えてすぐに役立つ超実用英語集 (青戸ゆき、はまの出版、1,575円)
紹介記事:おススメの英単語本を、ご紹介。(2007年4月14日)

青版・奇跡の英単語(長崎玄弥、祥伝社、890円)
紹介記事:(1)英単語との格闘(2007年1月27日)

・リーディング

英語の日記を読んでみよう(ごく普通のアメリカ人26人/オフィス・サウス、廣済堂出版、1,575円)
紹介記事:海外サイトで、日記をたまに読んでみるのも悪くない。(2007年3月27日)

・ライティング

英文メールとにかく100語で伝える、書いてみる (長尾和夫+アンディ・バーガー、すばる舎、1575円)
紹介記事:英文を毎日ちょっとずつ書く習慣づけを、してみる。(2007年4月20日)

・その他

目にあまる英語バカ (勢古浩爾、三五館、1,260円)
紹介記事:(1)「目にあまる英語バカ」を、読んで。(2007年4月3日)


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