読むのは数年後でOK。いま買って手もとに置くべき、必読の英単語集。
半月近く前に買った本で、ここで紹介しようと思いながらもつい延び延びになってました。
結論から言えば、書店に平積みされているうちにとにかく買って、一冊手もとに置いておきましょう。
究極の英単語セレクション ― 極上の1000語 (向江 龍治 著、株式会社アルク、2,310円)
「究極の~」というタイトルや「一生使える極上の英単語と豊富な例文が満載!」といった帯のうたい文句を見た瞬間こそ、「売らんかなで、また好き放題言って…」と思いましたが、中身をみて「確かにこれは、言うだけのことはある」と考えを改めた次第です。
究極かどうかはわかりませんが、ちょっとこのレベルをしのぐ英単語集は向こう5年くらいは出てこないんじゃないか…とさえ思ったくらいです。
正直いってワタクシは、この本に並んでいる単語の8割くらいは、まったくわかりませんでした。
単に難解な英単語を並べただけの本ではなくて、なんというか、まず世界観として「異質」だと感じる英単語が多く並んでいます。
日本でふつうに英語を勉強しているとまず触れる機会のない英単語、しかも米国の知識階級がごく普通に使いこなしている英単語を選りすぐったそうですが、そのような単語がこんなにあるとは…と率直に驚きました。
同時にまた、自分の勉強不足もヒシヒシと感じたわけですが…。
作者によれば、20年の米国生活、なかでもコロンビア大学にいた8年間、論文作成や日常生活に役立ちそうな英単語や表現を、大学ノートに書きとめていたそうです。
ノートが8冊くらいたまったときに、「私蔵するのはもったいない、同じように英語で苦労している日本人と広くシェアしたい」と思い立ったことで、本書が出版の運びとなったとのこと。
英語を学ぶひとりの日本人としての著者が、自分の琴線に触れた単語を集めたところからはじまる「私的」なセレクションであることが、なんとなく普通の英単語集と違う匂いを放っている理由の一端かもしれない、と感じました。
手に取ってみると、おそらくはほとんど見たこともない単語のオンパレードだと思いますが、初心者からかなりの英語の使い手まで、この一冊は買っておいてソンはないと思います。
作者はまえがきで「上級者ないし上級に近い中級者を対象」にしていると書いていますが、英語の勉強を最近はじめた初心者こそ、むしろ持っておいたほうがよい一冊のように思えてなりませんね。
なぜか。
ずっと勉強を続けていると、いつか~何年後かわかりませんが~「自分でも英語が結構うまくなった」と感じる瞬間が、訪れるはずです。
勉強を続けてさえいれば、必ず。
そのときにはじめてこの本を開いたなら、英語の奥深さを知り、自分がさらに英語力を高めることのできる喜びを、きっと感じることができるはずだから。
まだ自分は初級者だしほかにもいろいろやらないと…と思っている人は、その時がくるまで汚れないようにカバーでもかけて、本棚に飾っておくだけでもいいと思いますよ。
買って手もとに置いておくということが、大事です(いやもちろん、知らない単語ばかりでも心が折れないという方は、すぐに読みはじめてOKですけどね)。
え、Amazonとかでいつでも買えるから、必要になった時に買えばいいって?
ダメです!きょうびの出版事情・本の流通事情を考えると、いくら良書でも数年後に買おうと思った段階で、手に入るかどうかわかりません。
というより、そのときはまず手に入らない可能性が大。
いやそれ以前に、この本があったこと自体、あなたの記憶から飛び去ってしまっている可能性のほうが高いと思いますが(笑)。
旅行のときにちょっと英会話ができればそれでいいや…という人は、この本ははっきりいって必要ないでしょう。
しかし、いつの日かマジでうまくなってやる…と内心思っている人。
悪いことはいいませんから、ランチを一・二回ほどガマンして、自分の手もとに置いておきましょう。
そしてきたるべき時まで、ワインのように(笑)何年か寝かせておきましょう。
CDも二枚ついていて、発音対策もできます。
それ以外にも、隠しながら覚えたかを確認できる赤いチェックシートが添付されていたり、巻末の関連語リストなど、編集上も細かいところへの配慮がよく行き届いていると感じる一冊です。
う~ん、もうちょっとうまく紹介できればいいんですが、この辺りが限界か。
個人的に最近はまってこればかり読んでいるものですから、ちょっと熱く語っちゃいましたかね…。
ま、言いたいことは「この本は書店に実物の在庫があるうちに、ぜひ一冊お手もとに」ということだけですから。
信ずる者は救われますよ、たぶん(笑)。