英語・英会話、非効率な人のほうがうまくなるのか?オススメ本。
しばらくぶりに、本日はおすすめ本のご紹介です。
ただし今回ご紹介するのは、英語・英会話のテクニカルな上達本ではありません。
ありませんが、前々回の 英語・英会話力アップに向けた当ブログのメッセージ、結局このひとつだけ。 でも触れた「成果を出すための時間管理」について、ワレながら未消化な説明だ…と思っていたことについて、実にうまく説明してくれていると思いましたので、ご紹介します。
なぜ仕事ができる人は「効率」を無視するのか? 逆転発想の時間術 (夏川賀央 著、 アスペクト、 1,429円)
オモムキとしては、ビジネス本・仕事の時間管理術に属するものですが、なに、「仕事(の成果)」という箇所を、「英語・英会話(の上達)」にコトバを置き換えて、読んでいけばヨイだけの話です。
それにオフィスで働いている方々ならば、仕事論・時間管理術も兼ねてますので、一石二鳥でしょう。
ランチ1~2回分のお金でこういう発想を学べるのなら、ワタクシなら、お昼ゴハンをスキップするほうをオススメしますね。
この本を読んであらためて思ったことでもありますが、英語・英会話の上達を志すのならば、英語・英会話の世界だけに集中していちゃダメです。
もっと言うなら、英語・英会話がうまくなることだけを考えていると、どうしても細かな技術論に目がいきがちになる。
たとえば、PleaseよりはCould I ask you to~のほうが、よりテイネイな表現だよとか、より細かいほう細かいほうに気持ちがどんどんと入り込んでしまって、そのうちに精神的な面での「ノリシロ」、余裕が無くなってくるわけです。
確かに、英単語やパターン表現を大量に詰め込むこと・一時期集中的に技術面を磨くことそのものは非常に大事ですし、学習のプロセスで避けて通れないことです。
言葉を学ぶんだもの、決して細かいことをやるなといっているわけではアリマセン。
ただ、問題なのは「そんな細かな世界からうまく遠ざかることができるか、そしてその後また必要に応じて、うまく戻ってくることができるか」という、いわば”つかず離れず”の技術を身につけられるかどうか、ということ。
フツーに英会話学校なんかに通っていたんじゃ、そんなことについては誰も、まず絶対に教えてくれません。
自分でこういう本を読みながら、考えていくしかないのです。
この本はビジネス版「無用の用」のお話、といった感がありますが、本を読んでいると、「ムダ」という単語がひんぱんに出てきます。
ただ、なんでもひとくくりに同じ「ムダ」という単語で呼んじゃいけないんだろうな…とも思いました。
たぶん本当の意味で「時間のムダ」に過ぎないものと、一見そう思えて「ムダ」ではないものがある。
同じ「ムダ」という言葉で呼んでいるわけですが、本質の異なるそのふたつをより分ける術をマスターするのが、われわれフツーの人にとっては難しいことなのでしょう。
筆者は「おそらくみんな、時間を大切にしすぎているのです。」と言います。
そして「『その時間がなんの意味ももっていないこと』をひどく嫌」う結果、時間を何かで縛って「効率化」に走るのがわたしたちだ、と述べています。
「効率」とは「リターンの大きさ」を考えることからでる発想だが、最初の時点でリターンの大きさを考えることにどれほどの意味があるのか、またリターンを顧みずにやる投資が本当に非効率なのか、とも問いかけています。
英語・英会話の学習だって、まったく同じことが言える…と思うわけです。
「三ヶ月後に英語がペラペラになる画期的方法!」的アプローチにどうしても引かれてしまう(笑)人は、読んでおいて損のない一冊だと思いますよ。