GW中はひとつ英語の勉強でも…と奇特にも思っている方に(2008年版)。
ゴールデン・ウィーク真っ盛りになってからこんな記事を書くのがおマヌケだというのは、一応わかってはおりますが。
ま、「久しぶりにまとまったお休みがとれた人が、奇特にも(または予定がないので仕方なく・笑)遊びにもいかず、英語・英会話でもやってみるか…と思ったとき」のためのネタということで、読み流していただければと思います。
ワタクシ同様、GWはどこにも行かず行けずで、PC画面の前…という同志の皆様に、捧げるコラムであります。
さて、一年前のGWに書いたエントリー(GW中はひとつ英語の勉強でも、と奇特にも(笑)思ってる方に。)を読み直してみたところ、このときは手頃な英会話フレーズ集などを一冊新たに買って、連休中にマスターしてみては?というお題で書いていました。
それでもこのGW、最大9日とか10日のまとまったお休みがとれるラッキーな方は、やっぱり旅行、それもどこぞの英語圏にでも旅立って、街中で生きた英語に触れるのが、気持ちもリフレッシュするし、一番いいんでしょうねぇ。
イヤイヤ、カレンダーどおりでせいぜい3、4日程度の休みだし、しばらくぶりに遠ざかっていた英語・英会話のテキストでもまた開いてみるか…という、そんなアナタはちょっと聞いてくださいな。
ふだん仕事が忙しく、通勤電車とかカフェとか会社の休み時間とかの、いわゆる細切れ時間にしか勉強のチャンスがない人って、持ちなれない(笑)まとまった休みを目のあたりにすると、ついつい「やり残してたまっていた、あるいは手付かずの英語・英会話教材の復習をして、日ごろの遅れを取り戻そうとする」傾向がありますよね。
マジメな学習者ほど特にそうです。違いますか?
ワタクシが思うに、そのような「これまでのたまった遅れを、連休中にがんばって一気に取り戻すぞ!大作戦」は、できればやめたほうががいいです。
その理由は、せっかくの休みなんだから休みなさいよ…ということではモチロンなくて、「ふだんやっている勉強のコンテンツを、ふだんと違った環境・リズムでおぼえようとすると、なぜか長期記憶として残りにくいから」なのです。
英語・英会話に限りませんが、外国語を身につけようとするなら、最後の成否は、「勉強してから長い年月が経ったあとで、自分の中にそれがどれだけ血肉となって残ったか」の総量で決まってきます。
で、日ごろの勉強を通じて、短期記憶から長期記憶への移行作業が頭の中で並行して行われているわけですが、普段の学習のリズムと異なった状況において、いつもの学習内容に触れようとしたときに、ワレワレの脳はなぜかその違ったリズムを拒絶してしまうのです。
たとえば、毎日の通勤時間に、英単語集を開いて10個ずつおぼえることを日課にしている人がいたとします。
4月の後半は連休前で忙しくて残業続き、帰りの電車内では寝てしまって、この3日ばかり、サボってしまった。
このサボった3日分を、このGW中に自宅の机でやって取り戻そう…これがNGだと言ってるわけです(笑)。
連休中にがんばって遅れを取り戻したつもりでも、アナタの頭の中に残っている期間は、せいぜい連休明けの数日程度。
長期記憶への移し替えが、なぜかしら、うまくイキマセン。
その理由となると科学的な説明なぞはできませんが、思うに通勤電車の中で英単語をおぼえているときは、その英単語だけじゃなくて、その時の全体の状況をひとまとまりのセットとして、脳と身体がおぼえ刻み込もうとしているためじゃないか…と思います。
電車のカタカタゆれる音や、混雑した車内でBGMがわりに聞こえる会話やざわめき、電車のアナウンス、電車の窓越しに見えるいつもの見慣れた景色…こういった英単語に直接関係ないものまで、そのとき一緒にアタマの中に吸い込まれているんじゃないでしょうか。
そのような全体状況を、ひとつの約束されたリズムとして脳が受けいれ、その中で英単語を記憶する仕組みがすでに出来ているのに、まったく違った環境のなかで、しかも英単語をおぼえるという行為のみを取り出してのインプットを強いられる。
このような命令がでても、脳が急な環境の変化に適応できず、慣れない状況での記憶作業に大きなブレーキがかかっているためでは…と、ワタクシはひそかに仮説をたてております。
ま、仮説の当たり外れは置いといても、まとまった休日という、ふだんは無いシチュエーションで英語・英会話に触れる場合は、そのこと自体を「ひとつのイベントとして、自分のなかで特別扱いしてあげる」ほうがよいと思うのです。
「普段やっている勉強内容から離れ、まったく違うことを短期間まとまってやる」ほうが、脳にとっても新鮮な刺激となるわけです。
たとえば、ふだんテキストを目で追ってばかりの人は、本は一切見ずに、洋画DVDを字幕無しで何本も見る以外のことは、GW中はやらないとか。
ふだんインプットばかりで会話のチャンスが無い人は、英会話サロン・カフェなぞにビジターで行ってみて、誰かと英語でおしゃべりすることに専念するとか。
連休とはいっても、日本ではせいぜい、数日から十日程度までですからね。
英語・英会話の勉強だって、連休が終わった後は、またいつものやり方・いつもの勉強方法に戻っていくわけです。
だからこそ、いつもならばまずやらない、または時間の制約があってなかなかやれないようなアプローチによる新鮮な刺激を、「短期の英語・英会話イベント」として、脳に吹き込んであげる。
たぶんこのときに学習した内容そのものは、いつものように時間がたてば忘れてしまいます(笑)。
でも、そのときの新鮮な感動・アタマの中がリフレッシュした感覚は、英語・英会話学習の楽しかった思い出として、あなたの記憶の奥底にいつまでも長く残ります。
そしてそれは、アナタが英語・英会話の勉強を長く続けることを支えてくれる、ひとつの力になっていきます。
今年のGWは遊んじゃう人は、来年のGWに試してみるのもいいですしね。
またGWに限らず、まとまったお休みがとれたときにでも、ぜひこのようなアプローチを、一度試してみてくださいね。