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    2010年11月14日

    レアリアの不足、それは英語学習者に終生つきまとう影。


    英語の勉強をしていると、時々「ん?」というフレーズにぶつかって、いまひとつわかった感じがしないけど、そういうものだと思って丸暗記…ってことが結構ありますよね。


    同じ「わからない」にしても、これが英単語なら、いかにスペルが長くて難しい単語であっても、自分なりに納得したおぼえ方を見つけることは、なんとかできるものです。

    たとえば語源から追いかけてみたり、最後の手段としてゴロ合わせ(笑)に頼ったりと、それなりに自身で落としどころを見つけて、こうおぼえるという納得ずくのゴーサインを、脳内で出すことができると思うわけです。

    英単語の場合、日本語と英語の「1対1」の関係を比較的作りやすいこともありますしね。


    たとえば"Exodus"という単語をおぼえるとき、Exodus=「大脱出」ととりあえず規定して、自分なりのおぼえかたによって記憶していくことには、さほど違和感はないはず。

    しかしこの語が「旧約聖書の脱ヘブライ記」に由来していることは、(そりゃ知っていたほうがよいに決まっていますが)たとえ知らなくても単語の意味そのもののおぼえるうえでは、それほどのストレスも溜まらないと思うわけです。


    仮に単語の裏にある文化的・歴史的背景を端折ったとしても、なんとか記憶をつなぎとめておくことができますし、また二つ以上の異なる意味がある単語でもそのうちの一つを確実におぼえているだけで、心理的なストレスはずいぶんと和らぐものです。

    しかしフレーズや英文表現の場合は、いかにやさしい単語で組み合わされた表現であっても、またなんとか丸覚えに成功したとしても、なんとなく消化不良感というか、しっくりこない感が残ったまま…ということがないでしょうか?


    ワタクシなどは特に日本語への置き換えがカンタンであるときほど、そのストレスを強く感じます。

    背景知識のないフレーズなどで、うまく丸暗記できていて口からスラッと出てきたときなど、ことさら強く感じたりします。「あ~、また意味もわからないままにこのフレーズ使ってるよ、オレ…」と、なるわけです。


    たとえば、昔はじめて”Born with a silver spoon(高貴な家の出)”という表現を目にしたときは、「なんでspoonなんだろう、それになんでgoldじゃなくてsilverなんだろう…」って、ズ~っと頭のなかにひっかかってました。

    「まぁいいか」と、そのまま丸覚えして使ってましたけど(今ではわかって使ってます、念のため)。


    この「ホントのところはよくわかんないけど、時間の都合上とりあえず丸暗記」スタイルは、多忙な現代において英語・英会話の勉強をするごく一般の人にとっては、しかたない面も確かにあるんですけど。

    ただ、そのようなモヤモヤがあんまり頭の中に積み重なってくると、「自分は本当のところを何も理解できていない」という自覚ばかりが強くなってきて、精神衛生上これはこれでよくないです。


    つまり、英語・英会話学習の途上で必ずぶちあたり、その必要性を意識することになるはずの「英語圏の歴史・宗教・文化・社会・思想などに関わる、背景知識の不足」。

    専門的には、こういった背景知識を総称して「レアリア」と呼ぶそうですが。


    英語メディアで記事や論説を読んでいて、この自分のレアリアの不足にかかわる表現が使われて最後のオチが華麗に締めくくられていたりすると、ストレスが最大化するとともに、「オレの英語、まだまだ全然アカン!」と打ちひしがれたりするわけですね。

    ビジネスの現場で不自由しない程度に英語をしゃべったり書いたりできるようになって、ずいぶん自分の英語力が上達したような手ごたえを感じている矢先に、この自身の「英語文化圏に対するレアリアの不足」感が亡霊のように突然顔を出して、アナタを苦しめるわけです。


    身もフタもない言い方になりますけど、英語圏で生まれ育ちでもしなければ、国内の英語学習者にとってこのレアリアの不足を完全に解消する特効薬は存在しないんですよね。

    一つ一つ出会うたびに、これはと思ったものを意識してコツコツとモノにしていく以外、もう方法がない。


    外国語学習の最初の段階においては、「レアリアのことなんか考えもしない」というのは、もう仕方がないと思うんですよね。

    やみくもに訳もわからないまま詰め込む、というプロセスは、はじめにどうしても通らなくちゃいけない道だと思うわけです。


    その初期のしゃにむに突き進んだ詰め込み勉強がいずれ効を奏して、ちょっとした会話やリスニング程度なら困らないくらいになってくると、今度はだんだんとこの自分自身のレアリアの不足が、気になって仕方がなくなるわけです。


    さしあたりの緊急性はないけれど「のどにひっかかったままの、不快な魚の小骨」状態が、その後のあなたの英語学習に影のようについて回ることになります。おそらくは英語の勉強を続ける限り、永遠に。


    「不快」と書きましたが、ある意味このような感覚は、アナタの英語力がそれだけ上達していることを示す「祝福のサイン」でもあるわけです。

    少なくともワタクシはそう考えて、自身を鼓舞するようにしています(笑)。


    さて、この英語圏のレアリアを充実させるための絶対的必修科目のひとつと断言してよいのが「キリスト教を知る」ことです。


    次回の記事は、この点について書きたいと思います…できれば本年中に(笑)。

         
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