英語・英会話上達のための、脳とカラダのスタミナのつけ方。
ブログランキングにのってるような英語学習の専門ブログよりも、ジャンルを特定していない一般ブログなどで、たまに外国語や英語についての思いをフッと語るような、肩にあまり力が入ってない感じのエントリーを息抜きで読むほうが、ワタクシはわりと好きです。
さて、そんな風にときどき読んでいる渡辺千賀さんのブログのエントリーで、「翻訳・通訳ってヤツがどんだけ難しいか」ということがうまく書かれていて、「そうだよなァ」と思いましたので、ご紹介しときます。
翻訳・通訳は難しい(On Off and Beyond)
渡辺さんはバリバリのバイリンガルだと思いますが、彼女にしてこうです。
と言うより、翻訳とか通訳にまともに向き合おうとすると、みんなほぼ同じ結論にたどりつくんじゃないかと。
もちろん英語や英会話を勉強するヒトがみんな、通訳者や翻訳者を目指すわけではないのですが。
ただ英語・英会話がうまくなりたいという学習者のなかには、ばくぜんと自分の心の中に、同時通訳者やガイド通訳や翻訳者を「ひとつの到達像・完成モデル」としてイメージする方も多いと思うのです。
実際にそのための訓練をするかは、また別の話として。
多少英語を使う人なら、まったく英語と関わりない家族や友人・知人などから「これ訳して」「これどういう意味?」とたずねられたことは、何度もあるはず。
そういうときに、他の人のため「通訳する」「翻訳する」という行為を何回か経験してみると、それらが技術的にうまくなることが、自分の英語力を示す・あるいは英会話力の向上につながることに、イヤでも思い当たるはずです。
だからそれを専門とする通訳者・翻訳者の方々をみるときは、英語・英会話の上達を目指す学習者なら、たとえ本人が意識しようとしまいと、上達後の完成形として、自然と彼らをシンボル的位置づけに置くことになる。
この心理面に着目してか、「同時通訳アプローチで英文がラクラク速読できる!」的な学習教材なども売られていますよね。
「同時通訳にはなれないだろうけど、同時通訳が持つスキルやノウハウをある程度得られれば、英語・英会話力は飛躍的にアップするかもしれない」と、ほのかに期待する(させる)わけです。
同時通訳的なアプローチと、同時通訳はまったく違うフェーズにあるものなのか、あるいは同一線の延長上にあるのかは、正直わかりませんが。
でもごまかさずにちゃんと翻訳や通訳に向き合うと、この紹介エントリーにもあるような、「10センチ×10センチくらいの小さな記事を訳すのに1時間半くらい」かかる世界なわけで。
異なる言語にカラダごと飛び込もうとすると、脳や体のエネルギー消費量がものすごくかかって疲れてしまうこと自体、「通訳的」英語であろうと「通訳」そのものであろうと、それほど変わらない、ということでしょう。
そう考えていくと、英語や英会話・外国語ならなんであっても、日本語同様にうまくなりたいとのめりこんでいくほどに、それだけエネルギーが必要になる・ものすごく疲れることは、避けて通れない。
身体面で健康だとか病気がちとかいうのとは同じじゃないかもしれないけれど(共通する面もたくさんあるような気はしますが)、「外国語学習を続けること専用の、基礎体力・神経のタフさ」みたいなものが、英語・英会話の上達のファクターとしてものすごく重要だと思います。
それがないと、外国語という未知なる世界への好奇心が、面倒くささにアッサリと負けてしまう。
面倒くさいと思うのは、すなわち外国語学習用の基礎体力がなくてすでに疲れているということです。
じゃあどうすれば、この「外国語学習用の脳とからだの基礎体力」がアップするのか。
アプローチはいろいろあるだろうけれど、「英語・英会話を学ぶ場所を意識的に限定せず、24時間英語への気持ちを開放しながら自分を慣らしていく」ことは、ひとつの有力な方法です。
なにも「さぁ、昨日おぼえた英単語の復習をするぞ」と机に向かうことばかりが、上達への最短距離にあらず。
学習時間やパターンを固定化せずに、日常のいろいろな機会をみつけて英語に接していく。
疲れたら休んで、回復したと思ったら、またしぶとく向かっていく。
そうすると少しづつ英語脳のスタミナもついて、外的世界への24時間常時接続が苦にならなくなります。
「ふだんからスーパーサイヤ人でいられるように訓練した孫悟空状態」を目指します(わかりますか?)。
こうしてみると、英語・英会話の学習もほとんどスポーツですね。
上達には、スタミナ・気持ちのタフさ・そして回復力がとても大事。
それにしても日本の秋は、こういうことを考えるのに良い季節ですね。
食欲の秋、スポーツの秋、勉学の秋。
昔の人って、ホント単純にして奥深いことをいったものです。