英語という「巨象」を食べるとき、小さく切る前にやること。
唐突ですが、「象を食べるときは、どうするか」という話を、お聞きになったことはありますか?
これからする話、あくまで「象」は「自分の手に負えないくらい巨大なテーマ・課題・解決するべき問題」といったことの象徴、話のたとえとして用います。
もちろん、実際に食べるハナシじゃなくてね。
皆さんがとりくんでいる英語・英会話だって、外国人であるワレワレにとっては、結構なサイズの「巨象」だと思いますよ。
見上げて「うーん、これを全部食べるのかぁ…」と、ため息をつくくらいに。
この解決策としてよく知られているのは、
「象を食べる時(解決すべき大きな問題に直面したとき)は、まず小さく切ってから食べる。まずは、問題を出来るだけ自分の手に負える範囲まで小さくしてみる。」
というアプローチです。
最初にこの解決方法を聞いたときは、「ふぅん」と思って深く気にもとめなかったのですが、だんだんと「それだけじゃ、足りないかもしれない」と、思うようになりました。
だって、大きいままの象に直接ガブッとかぶりつこうが、小さいステーキサイズにして皿の上に盛り付けて食べようが、象は象であることに、変わりありませんからね。
いくら口に入るサイズを小さくしても、「目の前にドンといる、あの象(=英語・英会話)を全部食べなくてはならない…」と思ったら、やっぱり「あと何万皿ぶん、食べる必要があるんだよ…」と、ゲンナリしてくるんじゃないでしょうか。
ですので、ここからはワタクシが考えた、もう一ひねりした「象の食べ方」をご紹介します。
なんだと思われますか?
「食べているのが象であることを、無理やり忘れる?」
イヤイヤ、自分が今とりくんでいる全体像(=象)を、見失ってはなりません。
「さまざまに味付けを変えて、飽きがこないように工夫する?」
いい心がけで一定の効果はありますが、ひととおり回した後は、また厳しくなりますね。
ワタクシの提案は…
「まず象をもう一段階、四等分とかして中くらいのサイズまで切り、食べる目標を「象ぜんぶ」から、「象の足」などの一部分に変更すること」です。
「象の足」を食べたら目標達成!として、その後もほかの部分を食べるかどうかは、また自分自身と相談して、別の目標として、あらためて決めることにする。
足の部分だけだったら、さらに小さく切って食べながら「足の部分だけだったら、全部食べきれるかも…」という希望を、同時に持つこともできるはずです。
これを英会話でたとえるなら、「英会話をマスターしてやる!」というのが、「象を食べる」こと。
「オフィスでの英会話なら、ほぼどんな状況でも受け答えできるレベルを目指してやる!」というのが、「象の足を食べること」にあたります。
だから、後者の場合は「家庭での英会話」「スラングがとびかうシーンでの英会話」など、他のシーンでの英会話をうまくこなすことは、いったん目標の外に置くわけですね。
「こういうのはできなくても良し」として、オフィスの英会話を身につけることだけを念頭に置いて勉強することにすれば、おのずと身につけるべき学習範囲も、具体的になってくるはずです。
そしてそれに自信が持てるようになってはじめて、「次の足」「鼻」などと、別の部分を食べることを、考えてみるのもよいでしょう。
目先の英単語10個を覚える、というのもそれはそれで大切ですが、だからといって「英語をマスターする」だけでは、目標としてはサイズが大きすぎるわけです。
また、目標を持たずにただ目先のことだけこなしていくと、自分がなんのためにそんなことをやっているのか…と、道に迷う危険性があります。
まずは、自分でリアルなイメージが持てる程度までに目標を絞り込んで、そのサイズを小さくする。
そういうアプローチもありますので、自分の置かれている状況にあわせて、ひとつ応用されてみてはいかがでしょうか…?