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「英語の勉強」と、首相退陣劇に共通するもの。


英語・英会話の学習とストレートには結びつかない話かもしれませんが、学習者にとっての本質に関わる大事なことだと思いますので、書きます。


おととい、外出先から戻ってテレビをつけると、いきなり「安倍総理 退陣表明」のテロップが目に飛び込んできました。
所信表明演説から日も経たないうちの辞任表明に、皆さんもさぞ、驚かれたことと思います。

突然の退陣の真の理由は、まだ今ひとつ、はっきりしないようですが。
しかしながら、日本国にとって課題が山積する状況下、「突然すべてを放り出すようにして」辞めた形になったことによって、一国のトップとして無責任だという印象を、国民に強く植えつけてしまったことは、残念ながら事実ですね。

ワタクシが個人的にコワイなと思ったのは、退任発表の前日まで、外遊も精力的にこなし、周囲にも「頑張ります」と言っていたにも関わらず、ポキッと折れるように、突然立ち止まってすべてを止めてしまうという行動に到ってしまう心理が、日本の実質的な最高権力者の内面にずっと巣くっていた…ということでした。

「ポキン」と折れる擬音が、いまにもテレビから聞こえてきそうに感じましたよ。

今回のように精神的にも肉体的にも過度に自分に負担をかけてしまうと、昨日まで普通だったのに「いきなり、パタッと」と自分がやっていることを途中で投げ出してしまう精神状態に、人というものは陥る可能性があるのだ、ということを、テレビを見ていた皆が、はからずも感じ取ったのじゃないでしょうか。


皆さんの周りにも、ひょっとしていらっしゃるんじゃないでしょうかね。

いつも仕事をバリバリこなしていたのに、突然やる気を無くしたとか、プロジェクトが進行中で佳境であるにもかかわらず突然退職すると言い出したとか、先月まで熱心に英会話教室に通って練習をしていたようなのに、最近パタッと練習している姿を見かけなくなった、とか。

はじめた時は「頑張ってブログ、毎日書きます!」とか言ってたくせに、いつの間にか更新頻度が3日に1回くらいになっているとか…あ、それはワタクシですね(笑)。


日本の最高責任者と政治の関係でなくたって、今の自分にとって過負荷となり得るようなことをアナタが手がけているならば、今回の首相退陣劇から教訓として学ぶことは、アナタの人生においても、あるはずです。

英語・英会話に絞っていうなら、今のアナタにとって、それら外国語を学ぶという行為が、どれくらいの「負担」として、日々の生活の中に存在していますか?

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次のTOEICスコアの結果が、昇進や昇給・異動に関わっているのですか?

英会話学校に一括して何十万も支払ったから、もはや元をとるまでは引き返せない…と内心で感じていますか?

自分だけが英語が不得手ということで、一緒に働く職場の同僚に迷惑をかけている…と、負い目を感じたりしているのでしょうか?


外国語の学習とは言っても、内心の非常なプレッシャーや本人が抜き差しならないと感じている事情・制約のために、ストレスを感じながら英語・英会話に向き合っている方も、おそらく相当数いらっしゃると思うのです。

そういう方は、安倍首相のあの去り行く後姿をみて、学ぶべきです。
ストレスやプレッシャーというものは、ある種の「劇薬」だということを。

さじ加減がドンピシャあえば、非常にプラスの効果を出す薬であると同時に、一歩量を間違えると、すべてを台無しにしてしまう破壊力をもっているものだ、ということを。

「英語・英会話がはやくうまくなれるといいなあ」が、いつの間にか、もろもろの事情によって、「英語・英会話を一刻もはやくマスターせねばならない」にすりかわってしまった瞬間を、アナタはおぼえていますか?

アナタの周りのいろいろな事情や人々が、はやくうまくなりなさい、もっと頑張りなさいと、有形無形に様々なプレッシャーをかけてきているのかもしれません。

それらを解決する決定的な処方箋は、おそらくは無いのでしょうけれど、ひとつだけ言えるのは、過度の頑張りがアナタの精神をむしばんだ場合、アナタやワタクシだって、あの退任表明会見の時の安倍首相のようになる可能性がある、ということです。
これは決して、彼の個人的資質に帰するだけの話ではない。

そうならないように、人生でも語学の学習でも、ある程度の余力というか、「のりしろの余白部分」のようなものを、なんとかして残しておかなきゃいけない。

いっぱいいっぱいの状態が長く続いている自分に気づいたら、怠けて休むことだって、絶対に必要なことだと思います。


10できることを8までやったら、あとはわざと止めておく。
あるいは10しなくてはいけなかったのに、8までやった自分を、「ヨシヨシ、ご苦労さん」と認めてあげる。

そういう技術は、「難単語のおぼえ方」とか「1ヶ月で英語がペラペラになる法」とかを学ぶのとは別の意味で、習得に値する、大切な英語学習の方法論なのかもしれませんよ。

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