「話す練習」の相手がいなくたって、「聴く」練習で会話力を伸ばせる。
今朝、新聞を開いてみると、小さな囲み記事を見つけました。
TOEICを実施する(財)国際ビジネスコミュニケーション協会が、20代から30代の四百名を対象に、ネットでアンケート調査を行った結果だそうです。
英語重要だが「何もせず」 ビジネスマン、OL対象の調査
(2007年8月19日付 北海道新聞)
400名という少なすぎるサンプル数でのネットアンケートなので、うのみにするわけにもいきませんが、要するに「英語は自分から話せるようになりたいが、その目的達成のための具体的アクションは、何もしていない。」ということのようです。
実はワタクシ、この「何もやっとらん」の部分は、たぶんにケンソンが混じっているんじゃないか?と思っているんですがね。
意外と(失礼)皆さん、それなりに、日々コツコツと、何かしらの勉強なり努力なりは、おそらくされていると思いますよ。
ただ「胸をはって、言うほどのものでも…」くらいに内心は思っているから、「何もしていない」のところに、とりあえずマークをしたんじゃないでしょうかね。
ま、それはいいとして、ちょっと興味深かったのが、英語の発信能力を伸ばすためにやっていることとして、一位回答の「何もしていない」の次、少ないながらも二位につけたのが「英語の話せる友人や恋人をつくる」というところ。
これには笑ってしまいました。
オイオイ、そんな打算的な恋愛や友情関係でイイのか?
そもそも相手にもすぐ見抜かれると思うんですけどね、「コイツ、英会話のトレーニングコーチ欲しさに、自分に接近しているな」、ということが。
ところで、実際問題として「何かはやっている」はずだと思うのですが、「英語の発信能力を鍛えるために必ずしも相手は必要ない」、ということは、ここで強調しておきたいですね。
ライティングのほうは説明せずともわかりますよね、一人でコツコツできる。
世間的には、「相手がいないとスピーキングの練習ができない→結果として、英会話がうまくならない」という考え方がまだはびこっているようですので、これを訂正しておきたいですね。
「話す練習」の相手なぞいなくたって、英会話は、かなりうまくなりますよ。
ワタクシもどちらかといえば、そのクチですし。
ま、ワタクシは置いとくとしても、世間でには、ネイティブとのスピーキング練習など経験せずとも、英会話にさほど不自由しない、俗に言う英語ペラペラの人や英語の達人などは、もういくらでもいますから。
だから、無理して「外人のオトモダチを急いで作らなきゃ!」などと、考える必要はまったくないんですよ。
相手もおらず、一人で話す練習をどうやってやるかは、そのうちまた書き足していきますけど、基本はリスニング・聴き取り訓練にあります。
聴き取りの練習ならば、一人きりで、CD・DVD、TVニュースなどを使っていくらでもできるでしょう?
話す相手がいなければその分、聴く練習をすることです。
リスニングをひたすら、真剣にやる。
それがすなわち、話す練習にもなっているのです。
聞くことと話すことはそもそもが表裏一体で、片方だけで独立して、立っているわけじゃないので。
相手のいうことがほとんど聴き取れる・わかる状態になれば、その人はもうすでに、英語を結構話すことができるはずですよ。
とにかく、「相手を見つけて話す練習をしなければ、会話はうまくならない」ということの意味を、取り違えないようにしましょう。
相手がいて、話す練習を続けると、会話表現が洗練されてなめらかになったり、以前より臨機応変に対応できて会話がスムーズに進んだり、口下手だったのが積極的になったり。
そういった効果は、もちろん期待できます。
ただ、「ごく普通程度に、英会話ができるようになる」という水準をアナタが求めているのならば、これは相手がおらずとも、必ずできるようになります。
そのためにできることは、ひとりでも「英語を聴く力、聴き取る力」を磨き続けることです。
「何もしていない」などと斜に構えたセリフは、いまよりもっとずっと英会話がうまくなった後のために、とっておきましょうよ。