日々の生活に英語を影のように寄り添わせる、ちょっとした工夫。(1)
「えいご漬け」などという名前の英語の練習ソフトがありますが、普段、仕事や学校の課題に追われている身にとっては、現実的には、一日の大半をあてて英語・英会話の学習にどっぷりと漬かるというのは、なかなか難しいように思います。
この前も、とある英語関連サイトを見ていましたら、「人生の一時期に、一日二十四時間のほとんどをつぎ込むくらいのつもりで勉強しなければ、短期間で英語・英会話がうまくなることはない。」と、書いてありました。
確かにそれも真実ではあるのですが、現実にはそれができる状況に置かれた人がそうはいない、ということで、まぁ少なくとも、一般的な学習アプローチとは、言いがたいですよね。
私も、これまで何度か書いてきましたが、つまるところ、英語で触れる一日あたりの密度が薄くとも、学習期間そのものを長くしたことによって、英語の実力をあげてきたようなところがあるのですね。
ただ、今にして思えば、それができた理由のひとつとして、英語・英会話というものを、日常生活の断片において、絶やすことなく意識するように努めていたことが、大きいように思います。
英語・英会話のまとまった勉強を、長い間やらない時も結構ありましたが、なにかしら英語・英会話の存在を意識するような瞬間は日常生活においてわりとあった、いや正確に言えば、そういう瞬間をつくるように意識的に努めてきた、ことは確かです。
どんな環境に置かれている人でも、そのつもりでちょっと工夫すれば、いろいろと日常生活において英語を意識するための刺激になると思うのですよ。
これからご紹介するようなことは、ワタクシとしてはもう完全に習慣化しているのですが、英語を日々の生活の場面場面に意識するためのちょっとしたやり方を、そういうことで二つ三つ、ご紹介しておきたいと思います。
もしかしたら、同じような事やってる人は、意外と多いかもしれませんけどね。
まず一つ目。
ケーブルテレビなどを導入している家庭や職場も少しずつ増えてきていますし、オリジナルのCNNニュースとかを見る機会が多い人はいいのですが、普通にテレビをみている人でもできる、ちょっとした工夫についての話です。
日本語のごく普通のスポットニュースでも、海外の話題をとりあげるときが、必ずありますよね。
たとえば、天災や選挙、大事件あるいは大事故・戦争のときなどに、海外ニュースが配信されています。
その時に、たいていはコメンテーターの質問に対して現地の一般通行人がコメントしているシーンが、必ず映し出されていますよね。
ワタクシはその時に、画面の日本語訳を見ないで、全神経を集中して、その一瞬のコメントを聞き取るようにしてきました。
「3秒リスニング練習」といった感じです。
さすがにイタリアや中国の海外ニュースではどうにもなりませんが、英語圏の人が英語でコメントしている場合には、一瞬だけ神経を集中して、その聞き取りにかかります。
このメリットとしては、ニュースそのものは先に日本語で概要が説明されているので、コメントの内容にしても当然その話題に沿っているわけです。
まったく予備知識のない段階でパッと流されたら、瞬間の聞き取りだって、そうはうまくもいかないものですが、背景が既にアタマに入っていることによって、リスニング練習のための素地ができているわけです。
それに、海外ニュースでの一般人のコメントは、常識にそったものもありますが、日本人と比べても多様で個性的、ユーモアすら感じるコメントも多く、なかなか面白いですよ。
プロが話しているわけじゃないので、発音も聞きとりにくかったりするし、いわゆる「きれいな英語」ではないことのほうが多いですが、なんといっても、現地の生の英語ですから。
そういうちょっとした瞬間の英語を聞きとれるようになることが、英会話リスニングの実力アップにつながるのだと、ある時から思ってずっとやってきました。
たいていは一瞬で終わるし、遭遇する機会も一日に多くてせいぜい3回程度なので、やり疲れるということも、ありませんしね。
これまで、結構いつでも、これをやっていました。
前々職の営業で外回りをしていた時があったのですが、たとえば昼メシ時に、蕎麦屋に入ったりするじゃないですか。
テレビが置いてあって、海外のニュースがたまたま流れたときとかに、ざるソバなんぞをすすりながら、これをよくやっていました。
まぁ瞬間芸みたいな話をしましたが、日常生活で英語をちょっとしたことで意識するということのイメージは、おわかりいただけましたでしょうか。
ライブでやりたければ、電車で英米人の二人連れがいたら、自分の降りる駅がくるまでその傍にさりげなく立ち、会話を盗み聞きする…なんてのもいいですね。
というか、これも東京にいた頃は、よくやってましたけどね。
次回も、別の小ネタ的な(笑)工夫を、紹介したいと思います。