より実践的な英会話学習のために、まず自分の現在の状況から出発する。
英会話がうまくなりたいと思って、ヒトはみな(笑)、一生懸命リスニングの勉強にはげんだり、NHKの英語講座をかけもちで聴いたり、英会話学校に通ったり、するわけですが。
しかし、たいがいの場合は、一定の表現パターンを数多く学び、自分の生活や状況に照らして、そのたくさんあるパターンの中から、自分に合っているものを選びとる。
英会話習得のための教材なりカリキュラムなりは、そういうのが少しでもやりやすくなるような観点から、企画・構成されているはずです。
というか、どうしても、そういう作りにならざるを得ないので。
理由はすこぶる簡単で、教える側は一主体なのに対して、その教えを受ける側(学ぶ我々の側)が不特定多数だから、です。
教える側からすると、学ぶ側の、的を絞りきれないわけです。
どうしても共通項を探しだして、最大公約数として落ち着きそうなところに、教材を構成せざるを得ない。
せいぜい、ジャンル・分野別に大きく、くくることで、そのくくりに所属する人に、より身近で利便性が高い内容にしていくところまでが、限界なわけです。
言いたいこと、おわかりいただけますでしょうか?
例をあげると、たとえば、会社の業務で英会話を学ぶ必要がでてきたときに、アナタがまず勉強するのは「ビジネス英語」のジャンルの中の、「会議・ミーティングによく使われる重要表現」というヤツになってくる、はずです。
「会議は何時からはじまりますか?」とか
「そのご提案は、社に持ち帰って検討したいと思います。」など、
数多くの会議表現のパターンを、最初にたくさん学んで(あるいは、学ぶよう誘導・指示・強制(笑)されて)、でも結局のところ、アナタが実際の場面で使うであろう表現は、その中から「アナタが関わる会社の会議の状況に、もっとも適した表現だけ」、ということに、おそらくはなるわけです。
で、その「アナタが関わる会社の会議の状況」は、アナタにしかわからない話であって、英会話教材や英会話学校は知る由もないですよ、ということを、言いたいわけです。
ここまでは、きわめてあたり前の話ですよね。
そりゃ、いつどんな表現を使うことになるかはわからないので、上の例で言うなら、「およそ会議に関係しそうな英語表現は、全部おぼえるべきだ」という考え方もあるでしょう。
でも、会議で使う英語表現数だけで、本一冊分くらいには軽く達するくらい、もうたくさんあるわけです(というか、実際、そんなタイトルの本があったような…)。
普通に勉強しているなら、「いつか役にたつから全部覚えようね」式のアプローチは無理な場合が多いし、無駄も多い。
それに、アナタはいずれにせよ「自分が使いそうな会議表現」のいくつかを、どっちみち選び取る作業をするときがくるわけです。
だから、効率的かつ実践的に英会話の勉強をしたければ、まず最初に、「自分を取り巻く状況がどうなのか」をきちんと整理し、全体の状況を把握したうえで、次に、自分の状況にできるだけあった英語を探していくことも、考えてみるべきでしょう。
これも上の会議の例で言えば、
普段、自分が会社で出席する会議で、どういう言い回しがよくでてくるか。
出席者はどういった聞き方や質問をしてくるのか。
自分が発言する時のことを振り返って、どういう言い方や尋ね方をしていることが多いのか。
次に会社の会議にでた時には、そういった自分を含めた出席者の状況を、じっくり観察してみることです。
必要に応じて、時折メモをとっておくのもよいでしょう。
そういう観察を何回か行った後で、「自分がよく出くわす会議での表現や言い回しは、英語では、どういう風に表現するのか?」を調べ、それらを優先的に、意識して身に付けていくようにする。
この「まず現在の自分をとりまく状況から出発する」アプローチ、例えば上の例のように「会社の会議」とか「仕事帰りの飲み会」とか、自分なりにテーマをひとつだけに絞ってやってみることを、オススメします。
自分の今の状況から出発するので、英語の勉強がケッコー楽しくなること、うけあいであります(笑)。