(2)『英語が使える日本人』への道のり
英語が使える日本人を目指して文部科学省が平成14年に策定した、行動計画。
その計画4年目となる本年度の状況は、新聞報道によれば、以下の結果だそうです。
・高校卒業段階:平均としての目標であった「英検準2級程度」以上の英語力を身につけた高校生は、全体の27.8%。
・中学卒業段階:平均としての目標であった「英検3級程度」以上の英語力を身につけた中学生は、全体の33.7%。
文科省は、それぞれ卒業生の40%から60%程度くらいが、英検で上記の級程度のレベルに達することを目標として想定していたそうです。
しかし中学生も高校生も、そのレベルに達したのは目標の60%どころか、せいぜい半分の30%前後程度、ということで、大幅未達の状況となっています。
一方、彼らを教える先生の側は?といいますと。
英語教員が備えておくべき英語力の目標として、ほぼ全教員に求めている「英検準1級」、「TOEIC730点」の目標をクリアした人は、
中学校教員は全体の24.8%、高校教員は全体の48.4%に、とどまっているそうです。
来年度がこの行動計画の最終年度となっているようで、文科省は「全体的に水準が低い。教師もより自己研鑽を」といったコメントをだしている、とのことです。
うーん、はっきりいって、5年近くの長きに渡り文科省の肝いりでやってきたわりには、情けない結果。
記事を読んだときには、ちょっとびっくりしました。
ここまで目標未達の状況では、あと1年での大きな挽回は難しいでしょう。
特に教える先生の側がこんなことでは、日本の実用英語教育の未来は暗いです。
いじめ対策とか色々他にやることもあって、先生たちも大変なのはわかりますけど。でも先生が目標大幅未達なのに生徒だけ奮起しろと言われても、なかなか底上げは難しいですよね。
たとえこの目標とされている「英検準1級」や「TOEIC730点」をクリアしたとしても、『英語が使える日本人』としてはせいぜいスタートラインにたった程度の水準というのが国際社会での現実ですしね…。
つまるところ、うまくなりたければ自己研鑽を、ということになってしまいますかね。
自らの結論が文科省のコメントと同じになってしまっているところは、なんとなく自分でも気に入りませんけど…。